タイ人から見た、日本の不思議をちょっとご紹介 第2弾

タイ人の嫁さんが2回目の日本旅行。
前回に引き続き、また一般的なタイ人が感じた、日本の不思議をちょっとご紹介

1.エスカレーターで「疲れた!?」

嫁さんが駅の改札に上がるエスカレーターに乗るたびに「疲れた」と言うんです。
なんで?階段でもないのに?と不思議に思っていました。
その理由がわかったのは5日くらいたってから。

嫁さんあまり日本語を覚えていないのですが、「疲れた?」という単語は覚えていて、よく口にします。

「エスカレーター」を「えっ、つかれた~?」に聞こえたんでしょうね。
謎が解けて、思わず笑ってしまいました。

2.おばあちゃん多いね

日本は世界No1の長寿国。おじいちゃんおばあちゃんが皆元気ですね。
男女の平均は2011年の調査で、83歳らしいです。
町を歩いても元気なお年寄りをよく目にしましたし、特にバスに乗ると行政から配られた乗車パスを持ったお年寄りがいっぱい乗っているのに驚きました。

それに比べてタイの平均寿命は74歳。
昼間に元気なお年寄りを目にすることは、ほとんどありません。
もっとも暑いですからね。

それにタイのお年寄りは、息子や娘夫婦が、昼間仕事に出ている間に、孫の世話をするのが仕事。
だから外で見かけることもあまりありません。

日本の元気なお年寄りを沢山見て、驚くのも当然なのかもしれません。

3.信号の前で「ピヨピヨ」と口まね

日本では音響効果付きと言って、「カッコー」とか「ピヨピヨ」という音が出る信号機がありますよね。
視覚障害者用で、最近では町のあちこちにあるみたいです。

ではプーケットはと言うと、そんなものはありません。
もっと言うと歩行者用の信号機を見たことがありません。
もっと言いましょう。
私がプーケットに来た2004年頃は、カタの町には信号が1つしかありませんでした。
プーケットタウンまでの10Km近い道のりでも、信号は2~3か所ほど。
だから信号が「ピヨピヨ」なんて鳴いていれば、思わずおかしくって口まねをしていたんだと思います。

4.なんで渡らないの?

信号の話をもうひとつ。
日本ではほんの5mちょっと、車が1台通れるかどうかの交差点にも歩行者用の信号がありますよね。
あきらかに車が来ないのがわかっていても、日本人は礼儀正しく青信号になるまで、渡らずに待っています。

はたして日本人は礼儀正しいのか?
警察が厳しいのか?
人目が気になるのか?
そのあたりはわかりませんが、これってプーケット人から見ると、とても不思議です。
「だって車も来ないし、危なくないでしょ。なんで渡らないの?」
と言う感じです。

ちなみにプーケット人は、横断歩道もない激しい交通量の2車線道路を、車をすりぬけながら渡るのに慣れています。
例えるなら、大縄跳びの回転の中にタイミングよく入ってゆく感じ。
逆に信号機があったって、それを無視して走ってくる車やバイクがいますから、信号なんて信じられません。

「自分で安全を確認して、大丈夫ならば渡る」これの方が自然なのかもしれません。

5.冷たい水しか出ない

トイレに入るのが怖い!と言う話は、前回お話ししました。
今回はシャワーです。

タイ人はシャワー好き。朝も昼も夕方もシャワーを浴びます。
汗をかきますからね。

その日は実家で朝からお出かけをするので、嫁さんが1人でシャワーを浴びに風呂場に行きました。
でも部屋に戻ってくると、ひどく寒そう。
毎日風呂に入って、シャワーの温水と冷水の温度調整の仕方は知っているはずなのに・・・。
「なんでだろう?」と不思議に思って、私も風呂場に行ってみると納得。

実家の風呂はノーリツの「お風呂が沸きました」としゃべる給湯器。
実はその日は朝早かったので、まだスイッチが入っていなかったんですね。
お湯が出なくて当たり前です。

でもタイ人の嫁さんはスイッチのことなんか知りません。
なんでお湯が出ないんだろう。
タイと同じで壊れたのかな?
そんな風に思って、我慢して水を浴びたんだと思います。

常夏のタイはシャワーを浴びると言ったって、もちろん水浴び。
私と一緒に暮らすようになって、ようやく瞬間湯沸かし器をつけて温水を浴びるようになりましたが、それまでは水桶に貯めた水を浴びていた人です。

せめて目の前に湯沸かし器の機械があれば、スイッチが入ったかどうかはわかったのでしょうが、さすがに「お風呂が沸きました」の給湯器のスイッチの仕組みまではわからなかったみたいです。

6.なんでもっとスピード出さないの?

八王子の実家から羽田空港までゆくのに、高速バスを利用しました。
日本の電車は人身事故や故障があると、どうしようもないですからね。

でも実は嫁さんは、大型バスに酔うタイプ。
あの独特の揺れに弱いみたいです。
だから少しでも早く空港に行って欲しいのに、日本の高速バスは極めて安全運転。

それに比べてタイのバスは100Km/h近くで、ビュンビュン飛ばします。
ミニバスやタクシーなどは深夜ともなると130km/h位で、レーシングカー並みに飛ばします。

初めてのプーケット旅行のお客さんがよく、「怖かったです」と話しますが、逆にこのスピードに慣れたタイ人や私たちからすると、日本のバスはひどくのんびりに感じました。

またそのスピードくらいの揺れが一番気持ち悪くなるみたいで、私もちょっと気持ち悪くなったくらいです。
「なんでもっとスピード出さないの!」と怒る気持ちが少しわかるのは、タイ人化したせいでしょうか?

おまけ

タイ人化した私が、日本に久しぶりに帰ってきて戸惑ったことがいくつかあるので、ちょっとご紹介します。

7.あれ黒インク?

日本の年金事務所に行って、2年前納の仕方を教わってきた時、銀行で出す書類をもらいました。
銀行に行くまでに、ちょっと書類を記入しておこうと、かばんからボールペンを出して、名前や住所を記入。
わからないところは、空欄にしておきました。

銀行に着いて係の人に説明を聞いて、空欄を埋めようと銀行のボールペンを使って一文字書いたところでペンが止まってしまいました。
そうなんです。
タイのボールペンは青インクが当たり前。
黒インクは使いません。
逆に日本は黒インクが当たり前。
だから私の書いた書類は2色のインクになってしまったんです。

これって2005年に、タイに初めて来た時に不思議に感じたことでした。

8.へれかつ?って新しい食べ物??

京都駅だったと思います。
デパ地下でパックに入ったおいしそうなカツがあったんです。
でも値札に「へれかつ」と書いてあるんです。

「へれかつ」??。
私がタイに行っている10数年の間に、日本では「へれかつ」なんていう新しい食べ物ができたのか?
と不思議に思って、売り子さんに「へれかつってなんですか?」と尋ねると、不思議そうな顔をして「肉の部位のことだと思いますよ」なんて言うんです。

ハラミなんて言うのは昔はなくて、今は当たり前に食べるようになりましたよね。
だからへれかつなんて言う新しい部位を、最近はきっと食べるようになったんだろうな?とその時は納得したんです。

でもタイに帰ってきて、インターネットでへれかつを調べてビックリ。
「ひれかつ」の事を関西では「へれかつ」っていうんですね。
だったら売り子さんもそう言ってくれればいいのに・・・

9.靴売り場はどこ?

タイではどの看板を見ても、ほとんどがタイ語。
丸まった文字で私はほとんど理解ができません。
だから、なんとか英語の文字を見つけて、理解するようにしています。
それが習慣にもなっています。

では日本に帰ってくると日本語で書いてあるのが当たり前。
自然に日本語=漢字だと考えていたんでしょうね。

嫁さんのサンダルを買いにデパートに行って、靴売り場を探そうとフロアー案内板を見るのですが、どうにも見つかりません。
レジにいる店員さんに「靴売り場はどこですか?」聞いてみると「5階ですよ」言われました。

「なんだ売り場があるんだったら、しっかり書いておけよ!」と思いながら、もう一度フロアー案内板を見ると、ちゃんと「シューズ」と書いてあったんです。
この10数年で自分の日本語の適応能力も落ちてしまったことにガッカリしました。

10.駐車料金の自動精算機

プーケットでも大型ショッピングモールはあって、車を止めるのに駐車料金を払う仕組みになっています。
でもいくらか買い物をすると駐車料金は無料になります。
その判断をするのは、係のお姉さん。

あらかじめカードや時間を記入した紙を渡してくれて、帰る時に買い物のレシートと一緒に渡すと、前にある遮断機を上げてくれます。
人間がやっているので、ちょっとレシートやカードを間違えてしまっても、やり直しがききます。

ただ、日本はなんでもかんでもオートマティック。
器械が判断するので、間違えてもやり直しがききません。

その時は、駅ビルで買い物をしようと嫁さんと二人で自転車に乗って駅まで行きました。
2時間まで無料の駐輪場に2台止めて、器械から出てくるカードを受け取って、プーケットへのお土産を買って、2時間まであと5分位と言う時に戻ってきました。

そしてプーケットと同じように、こちらは自転車に乗って遮断機がある精算機の前に行き、カードを差し込むと反応しません。
周りの人たちはみんな素通り。
あれこれやって困っていると、離れたところにいた係員がやってきて、もうひとつ隣にある機械で精算を先に済ませるんだと教えてくれたんです。

でもその機械にカードを入れてみると、なんと1分オーバー。
料金は1台200円。2台で400円と出ました。

「え~」と思い、係員に話をしたのですが、「機械だから仕方ないよ」と言われ、しぶしぶお金を払って出てきました。
プーケットなら「そのくらい大丈夫ですよ」と言ってくれるんだけどな~と、
係のお姉さんの笑顔が頭に浮かびました。

グリーンダイバープーケット 奈良

いかがでしたか?
タイで暮らして、もう20年近く。
嫁さんはタイ人です。
前職は中学校の体育教師。
地球の歩き方やNHKにもプーケットの情報を届けています。