今日はとても良い天気のプーケット
でも風が強いですね。

さてダイビングスキルの続きを今日もお話ししたいと思います。
今日はダイビングの呼吸のお話。

もう一度。ダイビングの理想的な呼吸法とは

ダイビングの理想的な呼吸

2日前のブログで、ダイビングの呼吸は、
吸う時は、ゆっくり深く吸って
吐く時は、長く細く、細かい泡がププププーと出るのが良い
とお伝えしました。
その理由は、エア消費と中性浮力の両方がカバーできるから、と書きました。

では、どうしてその方法がいいのか?

今日はその根拠となるお話です。
特にオープンウォーターでもはっきり教わることのない、皆さんもあまり意識していない、息を吐く方について解説します。

水泳の呼吸法はダメなんです

一般的なダイバーの呼吸は、吸った空気をしばらく止めて我慢させて、身体が浮いてくるタイミングで息を吐きだしますね。
大きな泡が水面に向かって上がってゆく姿をよく見ます。

水泳のクロールの呼吸

私はこれを「水泳の呼吸」と言っています。
クロールで息継ぎした後、呼吸を止めていて、苦しくなったら水面に顔を出して「ぱっ」と息を吐きだし、同時に吸い込みます。

日本人は水の中で活動できます。でも、、、

日本人の多くは泳ぐことが出来ますから、水の中で活動が出来ます。
同じ水の中で行うレジャーとして、ダイビングもまた、水泳と同じような呼吸法になるのは自然のことだと思います。

また水の中では空気はとても大切なものなので、無意識のうちに大切だから吐き出さずに我慢しようと考えるのかもしれません。

エア消費を考えてみましょう

ただエア消費を伸ばすことを考えると、この方法では体が浮いてきてしまうので、どうしても我慢できるのは2~3秒になります。
一度でもダイビングをしたことがあれば、息を吸った後、身体が浮くまでにはおよそ2~3秒の時間がかかることは、ご存じだと思います。

水泳の呼吸と、ダイビングの呼吸

写真の上の図が【水泳の呼吸】です。
「吸って」⇒2~3秒ガマン⇒「バフっ」という具合です。

では理想的とお話した空気の吐き方はどうでしょうか?
写真の下の図は【ダイビングの呼吸】です。
「吸って」⇒3~4秒の間にププププーと細かい泡で吐き出し続けます。

同じ量の空気を吸っても、吐く時間が長くなればなるほど、少ないエアで潜ることが出来るという理論です。

うまく出来ないのは、吐き出し方に問題がある

ただ実はこのお話をしても、なかなかエア消費が良くならないのが現実です。
それは空気の吐き出し方が上手ではないからです。

空気の吐き出し方にも、コツがある。

空気の吐き出し方のコツ

人は息を吐く時、特に緊張していたり、吐き出そうとすればするほど、口先だけで「フーッ、フーッ」とします。
もう声まで出して、「フーッ、フーッ」「吐いてます!吐いてます!」なんて言う人を良く見かけます。

これではププププーの細かい泡のイメージとは異なります。
しかも長く吐き出し切ることはできません。

イメージは、肺を縮めること

ではどうすればいいのか?
「息を吐くということ=肺を縮めること」
ダイビングではここが大切です。
肺を縮めるイメージで、息を吐きだします。

具体的には、上半身の肩口の力を抜いて、空気が口から洩れていくようなイメージがいいと思います。
かといってマウスピースを甘噛みするのではなく、あくまでもレギュレーターから空気が出ていくことが大切です。

肩を怒らせて、胸を大きく開いた状態は良くありません。
流線型を作るイメージのまま、肺からじわじわと空気を縛り出していく、そんな感じです。

上手な人は、脱力している

脱力のイメージ

ダイビングはスポーツではありませんが、 やはり力を抜くということは意外と難しいものです。
ただ上手なインストラクターを見ると、誰もが力が抜けていて、リラックスして呼吸をしているのがわかります。

実はププププーの細かい泡を作りながら、長く吐き出そうと、どうしても力んでしまいます。
また、力めば力むほど、どんどん息が辛くなって、しまいには酸欠状態のようになって、ダイビングの後半は頭が痛くなってしまいます。

ただ力を抜いて自然に空気が漏れていくような吐き方が出来てくると、その頭の痛みも起こりません。
そうなると自然とエアのもちもよくなります。

練習にもコツがあります

実はこの練習、ウエイト量にもかかわってきて、上手にウエイトを減らしてあげないと上手く息が吐きだせません。
また、力が入っているから「脱力!」なんて水中で指示を出してあげられると上手になっていきます。

1本だけの練習ではなかなかうまくなりません。
2~3本、または2日くらいかけて、毎ダイブごとにウエイト量の調整と、フィードバックをしてあげると、呼吸が上手に吐けるようになっていきます。

次回は、浮力について

今回はダイビングの呼吸の息の吐き出し方と、それが良い理由をお話ししました。
次回は浮力についてのお話もしてみたいと思っています。