今日、プーケットダイビングにご案内したのは、日本からお越しのA様。
ご予約の時はオープンウォーターを取ってから数本しか潜っていない、ビギナーの方と一緒だったのですが、その方のご家族の都合で、急遽参加できなくなったため、今回はお一人だけでのファンダイビングとなりました。
ご案内したのは、ビギナーの方も潜りやすいラチャノイ島ラチャヤイ島3ファンダイビングです。

上の写真からもわかるように、A様はとても落ち着いて潜る方でした。
身体の力を抜いて、フィンキックもとてもゆっくりで、顔もしっかりと前を向いています。
ただ下の写真からもわかるように、吐く泡がとても大きいかったです。
呼吸方法は典型的な呼吸を止めるタイプ。
吸った空気をしばらく吐き出さずに、肺にためておきます。
しばらく経つと体が浮き上がってくるので、そのタイミングで息を吐き出すというもの。
なので、吐き出す泡はどうしても大きくなります。
この空気をためる方法は、意外とエア消費はいいです。
そして深場ではそれほど苦にはならず、気持ちよく泳げます。

ただ浅場になると体が浮いてから、息を吐き出す方法は、良い呼吸法とは言えません。
身体がいったん浮き始めてしまうと、その浮きもすぐには止まりません。
水深が3m程度になると、下の写真のようにどんどん足が浮いてきます。
そして視線がどうしても下向きになります。
ここで焦ってしまう人は、息を口だけで吐いてしまい、身体はさらに浮くことになります。
息を口だけで吐いても、肺は小さくなっていないので、身体は沈みません。
ただどうして沈まないのがわからずに、焦ってしまい水面まで達してしまうという方が良くいます。
ただ今日のA様はそこまで焦ることもなく、落ち着いてゆっくりと息を吐き出していました。

これは少し浅め、水深6m程度のところに群れていたタイワンカマスです。
青い海に、白い砂がキラキラ日差しで光っている上を、カマスの銀色の体もキラキラして、とてもきれいでした。

1本目が終わって、船上で昼食をとった後、浮力や姿勢についての話をしました。
呼吸は浮く前に吐きだすこと
肺が縮んで、少し沈むくらいに息を吐くこと
そして上半身や下半身の脱力など
を話しました。
そして2本目に潜ったのが、プーケットのラチャノイ島のマンタベイ。
ここは18m程度の深場のサンゴの根に、こんなフタホシフエダイの大群が住み着いています。
ダイバーが近寄ると、ぐるぐると逃げ回る姿を見ることができます。
船上のレクチャー通り、とても上手に呼吸を吐き出していたA様。
潜ってすぐにウエイトを1つ減らしたのですが、それでも深場では、脚がどんどん下がってしまい、身体が沈みがちでした。
私は遠目に、BCDに空気を入れればいいのにな~、とか
少し呼吸を調整してみればいいのにな~
と思っていたのですが、A様ご本人はだいぶ悩んでいたようです。

少し浅場にあげてくると、身体のバランスがとりやすくなってみたいです。
こんなハナミノカサゴと一緒に写っていただきました。

だいぶ、吐く泡が小さくなっていますね。
目線の先にいる、白い三角形の模様をした魚は、ブラックピラミッドバタフライフィッシュと言います。
あまり長い名前なので、私は「ブラピ」と言っていますが、これもインド洋の固有種になります。
目の前がかすむくらいに群れるカスミチョウチョウウオのインド洋版と言われています。
シミランなどでは中層にきれいに群れていますが、プーケット周りではこんな風に数匹で泳いでいる姿をよく目にします。

これは浅場で出会ったタイマイです。
船の上でウミガメに出会ったときのレクチャーをしていて、決して興奮して浮き上がらないことを話しておきました。
それもあってか、上手に息を吐いて、ウミガメと横並びになれました。
きれいなツーショットが撮れているでしょ。

2本目を上がって、また船上で、浮力についての話をしました。
先ほどの深場でどうしても沈み過ぎていた時に、A様本人もやはりBCDに空気を入れるべきか?悩んでいたそうです。
ただオープンウォーター講習で、そこまでしっかり教わることがなかったので、BCDに空気を入れてはいけないものと勘違いしていたそうです。
BCDの使い方も3本目で確認をして、さらに上手に浮力をとることができるのようになったA様。
これはプーケットのラチャヤイ島の沈船で、魚と一緒に撮影したもの。

こちらは大きい沈船の中です。
とても落ち着いていますね。

大きな沈船の周りには、タイワンカマスとフュージラーが、見事に群れていました。
すっかり魚の群れと一緒に楽しむことを覚えたA様。
ゆっくりとカマスの群れの中に入って、しばらくカマスワールドを楽しんでいました。

今日、ご一緒したA様は、インドネシアでオープンウォーターを取得されたそうです。
そのときは、「日本語対応」となっていたショップだったそうですが、インストラクターは現地の方。
日本語は片言だったそうです。
そのため、DVDを見せられて、学科もそこそこだったみたいです。
プール実習は10人ほどの講習生に、インストラクターが1名で、水深も2m程度と浅かったと言います。
海洋実習は行ったようですが、呼吸や姿勢の話はもちろん、BCDの使い方も窒素の危険性も、ほとんど理解されていませんでした。
今日、私とマンツーマンで潜って、もう一度オープンウォーターの基礎が理解できました。とおっしゃっていました。
ダイビングを安全に楽しく潜るには、やはり知識とスキルが必要です。
これからもダイビングを続けて、安全に楽しんでいただきたいと思います。