暑季真っ只中のプーケット
じっとしているだけでも暑く感じます。
ただ今日は曇り空で、直射日光が当たらないないので、ぐっと涼しく感じます。

ダイビング後は、およそ18時間以内は飛行機に乗れません

飛行機 フライト

ダイビングをした、全員が知っているわけではない

さて今日はダイビング後のフライトについてお話しします。
ダイビングを1本だけした後は、12時間。
ダイビングを複数本潜った後は、18時間は、民間飛行機に乗れないのは、オープンウォーター以上のCカードを持っている人ならば、誰でも知っている事実。
ただ体験ダイビングをした人や、オープンウォーターの手前のスクーバダイバーの講習までの人たちは、その知識がありません。

客室乗務員のお客さんから聞いた、本当の潜水障害

客室乗務員 キャビンアテンダント

先週オープンウォーターを受講したお客様は、カタール航空で客室乗務員をしています。
世界各国を飛び回っている現役の客室乗務員で、モルディブなどのダイビングにかかわる地域の担当も頻繁にしているそうです。
学科講習でちょうどこの話や、減圧症という潜水病の話をしたら、実際に飛行機の上でトラブルになったときの話を私に聞かせてくれました。
せっかくなので、多くの皆さんにも知ってほしいと思い、ご紹介します。

潜水病(減圧症)とは

減圧症

今もお話ししましたが、ダイビング後は体にたまった窒素を放出するために、一定の時間は飛行機に乗れません。
これはダイビングをすると水圧の影響で、陸上よりも濃い空気を吸うことになり、その空気のうち酸素は活性されても、窒素は血液中に溶け込んでしまいます。
もし、そのルールを守らず、ダイビング直後などに飛行機に乗って、気圧の低い上空に行くと、減圧症が起こります。
例えば、炭酸水を振った状態で、急にキャップを開けたとき泡が噴き出るのと同じように、関節などから窒素が湿疹になって現れたり、関節痛を起こしたり、最悪な場合は意識を失ったり、死に至ることもあります。

知らずにダイビングをしてしまう人は多い

実はダイビングをする人にとって、とても大切な情報なのですが、このことを知らないまま、または知らされないまま、ダイビングをしてしまうケースはよくあります。
とくに町のツアーカウンターなどで体験ダイビングを申し込みした人は、そういった情報を特に注意していないことが多いです。

実際に起こった減圧症のケースは、、、

そんな話を普段は一般のお客様に、オープンウォーター講習でお話しして注意を促すのですが、今回の客室乗務員のお客さんからは、実際に飛行機の上で減圧症になったお客様がいて、その時の対応について話を聞くことができましたので、ご紹介したいと思います。

モルディブ線を担当した時のことだったそうです。
いくつかのケースを経験していて、そのうちの1つは、上空で皮膚が赤くなってヒリヒリしたようで、しきりに腕をかいていたお客さんがいたそうです。
また別のケースでは、関節が痛がっていたこともあったそうです。
1番ひどかったのは、顔がアンパンマンのように腫れあがった人もいたと言うことでした。

航空会社の対応

話を聞くとダイビング後と言うことだったので、減圧症の疑いが大きいと判断して、まずはキャプテンが高度をギリギリまで下げるそうです。
その後に行う処置は、キャプテンが機内から、地上のアメリカに本社があるMedlink(メッドリンク)という、航空機搭乗中の医療関係トラブル専用のコールセンターに電話をするそうです。

3種類の救急箱

救急箱

飛行機の機内には、ベーシック・エアロメディック・エマージェンシーという、3つの救急箱を用意しているそうです。
ベーシックは絆創膏などのとても簡単な物
エアロメディックというは、もう少し専門的な薬だそうです。
ただこの2種類は、客室乗務員の判断で、乗客の処置ができる救急箱だそうです。

最後のエマージェンシーという救急箱は、普段は鍵がかかっていてあけることができません。
開けることができるのは、さきほど話したMedlink(メッドリンク)の許しが出たときだけだそうです。
アンパンマンのように顔がはれ上がったお客さんの時は、メッドリンクの指示に従って、エマージェンシーの救急箱をあけて、お客様に処置を施したと話してくれました。

緊急着陸

高度を下げて、メッドリンクの指示に従って、目的の都市まで行くことができればよいのですが、最悪の場合は緊急着陸と言うこともあるそうです。
この場合、上空から一番近くの飛行場にキャプテンが連絡を取り、緊急着陸をするそうです。
もちろん飛行場には救急車が待機していて、すぐに医療施設へ搬送する準備を整えるそうですが、これはできることならば航空会社は行いたくないと話していました。

お客様の旅行のスケジュールが狂ったり、お客様を目的地まで送る特別便を用意したり、時にはホテルを用意したりと、莫大な損害を被ることになるからです。
幸いなことにアンパンマンのように腫れあがった顔をしたお客様も、緊急着陸にまではならなかったそうです。

減圧症にならなかったのは、ただラッキーなだけ!

アラーム

実は私もダイビングの仕事をしていると、ダイビング後の休息時間を守らないで飛行機に乗ったという話を何度か聞いたことがあります。
浅場を潜っていたから大丈夫とか、15時間くらいはあけたから大丈夫とか。
予約段階で時間が足りないから「減圧症になります」と忠告しても、「大丈夫だから潜らせろ!」と押し通そうとする人もいました。

ただこういった人たちは、幸い潜水病の症状が出なかっただけのラッキーな人たちなんだと、客室乗務員のお客さんは話していました。
またダイビングをする人たち全員が、この知識を知らなければいけない、とも話をしていました。
体験ダイビングをする人はこのことは教わらないと分かったとき、少し怒っていたのが印象的でした。

現場で実際に減圧症になってしまうと、どうなるのか?
そんなことをぜひ皆さんにも知っていただき、安全にダイビングをしたり、旅行の計画を立ててほしいと痛感しました。

情報を共有したり、拡散して頂けるとありがたいです。

この話をダイビングの仲間や、友人などにも拡散して頂いたり、話をしていただけるととても助かります。

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