今日、プーケットダイビングにご案内したのは、日本からお越しのM様。
オープンウォーター講習を和歌山県で行い、そのあと数本沖縄で潜ってきた、まだ経験本数10本のお客様です。
せっかくダイビングを始めたのだからと、今回はプーケットでアドバンス講習にチャレンジです。

ログブックを見せてもらうと、オープンウォーター講習の時の海洋実習1と2は、最大水深が5m程度。
本当に頭が水面からわずかに沈むくらいな深度だったそうです。
海洋実習3と4も最大水深で10m。
フリー潜降もしたことがなかった、というのもうなずけます。
そんなこともあり、今日の1本目の潜り始めも、5mの水深でフリー潜降をしてもらいましたが、ウエイトをさらに2つ足してもなかなか沈むことができませんでした。
緊張していて、肺がパンパンだったせいだと思います。

写真は1本目のスタートの様子。
プーケットのラチャノイ島のバナナベイで、透明度も良くて穏やかな環境だったのですが、左手はインフレーターホースを、右手はレギュレーターを抑えて、緊張の度合いが伝わってきますね。

さて今日の1本目はアドバンス講習のピークパフォーマンスボイヤンシー。
中性浮力を極めよう、の練習です。
ウエイトの増減で、BCDの使い方を確認してもらった後は、逆立ちをしてもらいました。
きれいに垂直になるのですが、どうしても手が砂につきません。
フィンキックで一生懸命下がろうとしていたんですね。
泡の出方を見てもわかるように、必死に下がろう下がろうとしていました。
実はフィンキックでは砂に手をつくのはなかなか難しいです。
ではどうしたらいいのか?

これは水深3mくらいの大きなハマサンゴの上。
あちこちにクリスマスツリーワーム(イバラカンザシ)があって、それを引っ込めようと腕を伸ばしているのですが、クリスマスツリーワームまで手が届きません。
上の写真の逆立ちもそうですし、下の写真もそうなのですが、水深を下げたいと思っているのですが、呼吸は止めているんですよね。
呼吸を止めてキックで水深を下げようとしています。
肺の力は強いので、浮き上がる力に負けまいと、何とかキックするのですが、沈むことはできませんでした。

実は、呼吸をゆっくりと長く吐いて、肺を縮めれば、きれいに逆立ちで沈むこともできますし、イバラカンザシにも指が届くのですが、それが1本目はできませんでした。
潜降がなかなか沈まなかったのそのせいです。
肺の力はウエイト2つ程度では、とても相殺できないくらいに強い力を持っています。

そんな呼吸方法と、肺の上手な絞り方、浮力をコントロールするために呼吸をしなければならない、なんて話を1本目が終わった船の上で、写真を見ながら確認をしました。
そして2本目に潜り始めた時の写真が、下の写真。
1本目はなかなか上手に沈むことができなったM様も、船上で呼吸を理解したあとは水底近くにいたコブシメを、同じ目線で見ることができるようになりました。
1本目には、足が浮いて浮き上がっていたのが、2本目は足が下がっていますね。
水深はほぼ同じ4m程度です。

こんなキラキラ光った小魚たちが群れるのは、2本目に潜ったプーケットのラチャノイ島のフリーダムリーフ。
アンダーウォーターナビゲーションを終えて、残った時間はこんな景色を楽しんでもらいました。

まだレギュレーターを抑えている癖は治っていませんが、こんな岩場近くをきれいな姿勢で泳いでいますね。
足が下がって、目線が前を向くようになりました。

これは2本目の終盤、水深が3m程度になったサンゴの上です。
呼吸の話や姿勢の話をして、砂の上や中層では上手にトリムを取ることができたM様ですが、サンゴの上に行くとどうしても緊張してしまい、呼吸が止まりがちになってしまいます。
そのため、写真のようにどうしても足が頭よりも上に上がってしまって、目線が下がってしまいました。
この写真も船上ですぐに見てもらい、サンゴの上でも緊張をしないこと、目線を前に向けていること、肺を上手に絞って、少し沈むくらいで息を吸い始めれば、サンゴの上も上手に泳げることなどを話しました。
そんなに急には上手にならないので、2日間かけて、じっくりと上達してほしいと思っています。

これは3本目に潜ったプーケットのラチャノイ島No1ベイ。
初めてお見せする写真です。
水深20程度の砂地に大きな沈船ポイントができました。
ダイバーと比べてみても、その船の大きさがわかりますよね。
まだ沈めて1~2週間くらいです。
今ちょうどM様が泳いでいるくらいが18mです。

こちらは今までの沈船。
上の新しい沈船にはまだ魚はついていませんが、こちらの沈船はもう魚だらけ。
船の周りにはご覧のようにキンセンフエダイの大群がびっしりです。

沈船のすぐ先には、タイワンカマスがもう数万匹単位で群れていました。
魚に360度囲まれて、もうおさかな天国をたっぷりと味わってもらいました。
見渡す限りカマスだらけ。
アドバンス講習でも、こんな沈船や、魚の大群に巻かれる楽しさも味わえるのが、プーケットの良さです。

2日間のアドバンス講習は、初日にラチャノイ島ラチャヤイ島3ファンダイビング
2日目はピピ島マリンパーク3ファンダイビングに出かけます。
この2日間で、お客さんのスキルの弱点を見極めて、それを直していくアドバイスができたらな、といつも思っています。
今日のM様は、本当にビギナーダイバーの典型的なお客様。
それだけに潜降や中性浮力といった、ダイビングに重要なスキルをしっかりと身に着けてもらいたいと思っています。
あしたはピピ島マリンパーク3ファンダイビング。
今日のスキルを使って、あしたもたっぷりプーケットの海を楽しんでもらいながらの講習にしたいと思っています。