今日、プーケットダイビングにご案内したのは、日本からお越しのA様。
話をしてみると、実は私がプロのダイビングインストラクターになろうと、20年前にプーケットに来た時に、一緒の船にいたそうです。
40歳になるおじさんが、ダイビングのインストラクターになろうとしている姿を見て、いつか自分もタイに移住しようと思ったと話してくれました。
なんだか昔の自分を知っているというだけで、恥ずかしい感じがしました。

そんなA様ですが、プーケットの海をもう何度も潜ってはいますが、ブランクがあったので今回はラチャノイ島ラチャヤイ島のツアーをご案内しました。
と言っても、波が高く、窓から見える波が目線よりも高く迫ってくるほどだったので、残念ながら遠い方のラチャノイ島には行けず、ラチャヤイ島を3ダイビングしていただきました。

ボートが止まったのは、プーケットのラチャヤイ島のNo1ベイの少し北側。
ちょうどダイビングボートの真下には、沈バイクがありました。
10年ほど前に沈めた頃は、白いスクーターだったんですけどね。
もうその面影はなく、真っ黒です。

今日は3本、ラチャヤイ島を潜るので、1本目は欲張らずに小さな方の沈船だけを潜っていただきました。
雨期ということもあって、沈船の中はガラガラ。
海に沈んだ船から、外を眺めるのなんて経験はなかなかないですよね。
密閉されているわけではないので、閉塞感はありません。
手前にはフュージラーの群れが、奥の方にはバラクーダがいたり、船から外をのぞくと黄色いキンセンフエダイが群れている姿を見ることができます。

これなんだかわかりますか?
魚の卵じゃないんです。
これはサンゴ。
和名はミズタマサンゴと言います。
通称のバブルコーラルと言った方が、イメージしやすいですかね。
もっと接写すると、サンゴの表面は指紋のような模様が見えます。
じっくり探すと、サンゴの間に透明なエビがいたりするんですよ。

2本目は、大きめの船の方へ行ってみました。
沈船と言うとツバメウオというくらいに、有名な魚ですが、ちょっと大きめで目立ちますね。
とても愛嬌があって、ダイバーにくっついて一緒に泳いでくれたりもします。

今日は弱い潮の流れがあって、ちょうど沈船に当たるところには、こんなフュージラーが群れていました。
青いちょっと大きめなのがメニーラインドフュージラー。
タイ人は油で揚げて食べます。
沖縄でもこの仲間をグルクンと言って、唐揚げにするそうですね。

これはドクウツボ。
サンゴの間から顔を出していましたが、このサイズでも普通サイズで、決して大きくはないんです。
見た目はいかついですが、意外と臆病者で、人が近寄っていくとサンゴの中に隠れてしまいます。

臆病者と言うか、照れ屋なのはこのヒトヅラハリセンボンも一緒。
こんな風にサンゴの間に体を隠している姿をよく見ます。
目が大きくてかわいいでしょ。
どことなくおどおどしていて、横目でこちらを見ている姿が、またかわいいですね。

どこにいるのかな?
とずっと探していたら、安全停止中に少し浅場に大きな群れを作っていました。
おそらく数千匹はいるんじゃないかな?
透明度も良かったので、青い海に銀色の身体がぎらぎらして、とてもきれいでした。

3本目は、プーケットのラチャヤイ島のNo3ベイに回りました。
普段あまり潜ることがないポイントですが、深場から浅場に上げてくると、泳いでいるタイマイを発見。
少しサイズが小さい子亀でしたが、泳ぎについていくのはとても大変。
子亀だって、腕を一かきするだけで、ぐいぐい進んでいきます。
ちょうど止まってくれたので、写真撮影できましたが、私たちが撮り終わるとまたすーと泳いでいなくなってしまいました。
最近、ラチャヤイ島でもカメを見るチャンスがあって嬉しいです。
一応、大物ですからね。

さっきのドクウツボが普通サイズと言ってしまったので、「それじゃ、大きいサイズってどれくらいなの?」とお客さんも思っていたんじゃないかな?
ちょうど極太サイズがいてくれたので、サイズの違いを分かってもらうことが出来てよかったです。
ぽかんと口を開けて、そのなかにクリーナーフィッシュが入っていますね。

20年前にも同じようにラチャヤイ島を潜っている、A様。
さすがにその時の印象は覚えていないそうですが、当時はまだまだサンゴが生き生きしていました。
今日潜ったNo1ベイの北には、ホームランリーフ。
No2ベイとNo3ベイの間には、スタッグホーンリーフ。
そしてNo3ベイの先には、ルーシーリーフと呼ばれる、一面エダサンゴで覆われたポイントがありました。

ただ残念ながら今ではそんなエダサンゴの一画は、すっかりガレ場になっています。
その代わりに、船やバイクをいくつも沈めて、お客さんを楽しませるように変わっています。
人工物がいっぱいになってしまったプーケットのラチャヤイ島ですが、それでも透明度があって魚もたくさんいるので、お客さんを楽しませてくれる魅力的なポイントです。

今の時期は島に着くまでは波がありますが、島についてしまえば、島が風をよけてくれるので、潜るポイントは波がありません。
落ち着いてダイビングができます。
雨期ですが、透明度もよいラチャノイ島ラチャヤイ島をぜひ潜っていただきたいです。