先日のロタウイルスで入院したブログをご覧いただきありがとうございます。
せっかくなので、プーケットでもし病気にかかって私立病院に入院した際にかかる費用などについて、もう少し詳しくご紹介したいと思います。
今回私が入院したのは、プーケットにあるバンコク病院です。
現在プーケット市内に大きなきれいな私立病院(バンコク病院、インターナショナル病院、ディブック病院)は、すべてこのバンコク病院の傘下となっています。
入院は、日付が変わった12/9(金)の深夜2時から、12/12(月)の午後1時まで。
特にレントゲンや心電図などと言った、機械を使った検査は一切していません。
大便を使ったウイルス検査と、尿検査と血液検査は行いました。
あとは投薬と、点滴と、医師の診断と、看護師の血圧検査や体温測定です。
部屋は個室です。
タイの外国人が入院する病棟は、ほぼすべて個室スタイルになっています。
もちろん付添人のために、トイレもシャワーの施設もついています。
食事は1日3回です。
総額は64,134バーツです。
ではその内訳をご紹介していきたいと思います。
総額64,134バーツ(256,536円)の内訳
◆薬と非経口栄養
・点滴液 9,570バーツ(38,280円)
・投薬 5,201バーツ(20,800円)
・在宅医療 1,600バーツ(6,400円)
◆医療用品 6,800バーツ(27,200円)
◆検査9,690バーツ(38,760円)
◆一般医療機器 3,950バーツ(15,800円)
◆看護費用 8,800バーツ(35,200円)
◆医療サービス費 4,800バーツ(19,200円)
◆医師の診断費 5,200バーツ(20,800円)
◆標準の入院患者の宿泊施設費 6,400バーツ(25,600円)
◆食事 4,400バーツ(17,600円)
◇ディスカウント 2,277バーツ(9,108円)
薬と非経口栄養
まずは点滴です。
看護師さんは1日3袋くらい点滴します、と話していたので、点滴1袋がだいたい1,000バーツ(4,000円)くらいになると思います。
これのおかげで、脱水症状にならずに済んだことを考えると、とてもありがたかったと思いますが、高いですね。
あと投薬は、毎食前と食後に飲んだ薬だと思います。
1回に3錠ずつくらいは飲んだと思います。
カプセルの薬もあれば、錠剤やゲル状の薬もありました。
在宅医療というのは、退院後に自宅で飲むためにもらった薬です。
ロタウイルスの為の薬が3種類と、町の薬局で100円くらいで売っている解熱剤と、これも街の薬局で200円くらいで売っているエレクトロライト(ポカリスエットのような粉末)です。
さすがに私立病院だけあって、町の薬局で100円程度で売っているものも、500円くらいになっています。
薬だけで、今回の支払いの1/4に当たるので、とても高いですね。
医療用品
医療用品は、英語でMedical Suppliesとなっていたので、ベッドのシーツや寝間着なども含め、入院で使ったすべてのものだと思います。
ちなみにオムツも2,300円くらいとなっていました。
10枚入りで、3枚使っただけなんですけど、、、
検査
これは先ほどもお話ししたように、便をとってウイルスの種類を検査したものと、尿検査と血液検査だと思います。
まぁPCR検査だって、プーケットで1回受ければ2,500バーツ(約10,000円)ですから、これくらいの金額は当然するのかもしれません。
一般医療機器
これはおそらく点滴に使った機械なのかもしれません。
英語では、Medical Equipmentとなっています。
この点滴の機械は、日本では当たり前でしょうし、バンコク病院のように私立病院では当たり前だと思います。
ただ以前、国立病院に入院した時は点滴の機械は使いませんでした。
点滴の袋を釣り下げて、あとはチューブをつなぐだけです。
なので、途中で点滴の液が落ちなくなることもありました。
付き添った嫁さんが、点滴が落ちてないことを看護師に何度も伝えましたが、改善されなかったので、最後は看護師に伝えるのをあきらめてしまったというのが、国立病院の実態です。
ちなみにプーケットの国立病院とは
ちょっと話はそれますが、国立病院と言うのは、プーケットの中でも一番大きな病院です。
すべての科がそろっていて、医師も素晴らしい人材がそろっています。
私立病院の医師も、国立病院からの出張だったりします。
ただ日本の国立病院のイメージと違うのは、診察時間です。
2時間待って、2分見てもらえかどうかという具合です。
私たち在住者は、この国立病院を「野戦病院」と呼んでいます。
病院の廊下には、すでに亡くなった方が白い布に包まれて、ストレッチャーに寝ていたのを見たこともあります。
また看護師が血液検査をするときでも、医療用のゴム手袋などはしません。
患者の支払いは、主に健康保険ですし、そのなかには30バーツで受けられるタイの医療保険の患者も含まれています。
以前嫁さんが血液検査を受ける時に、看護師から前の薬局で絆創膏を、事前に自分で買って用意するように言われたこともありました。
プーケットの国立病院は、必要最低限の医療を提供する病院と思ってもらうとよいかもしれません。
それでも外国人が病院に行くと、私立病院の1/3程度の高額な医療費を請求されるそうです。
看護費用
これは点滴を用意してくれたり、薬を持ってきてくれたり、血圧や体温を測ってくれた看護師さんの費用だと思います。
1日に数時間おきにやって来てくれました。
点滴の機械がエラー音を鳴らすたびに見てくれて、深夜でももちろん対応してくれます。
いつでも笑顔で、ひとこと声をかけてくれました。
これくらいの費用は掛かっても仕方ないですし、むしろ感謝したいくらいです。
医療サービス費
これって、何ともわかりづらい項目ですが、よく考えてみると、ごみを毎日回収に来てもらったり、掃除をしてくれたり。
汗でびっしょりになった布団やシーツを交換してくれたりと言った、サービス全般がそれにあたるのかもしれません。
医師の診断費
実はお医者さんと顔を合わせたのは、救急病棟で当直のお医者さんと1回。
あとは1日1回だけ、私の階を担当するお医者さんと顔を合わせただけです。
とはいえ診断費は私立病院ですから、当然これくらいの値段はするはずです。
またタイの場合、医師からの診断書を受け取りますが、これは特別料金はかかりません。
職場にこの診断書を持っていくと、例え病気で仕事を休んでも、休暇扱いにならないということを聞いたことがあります。
標準の入院患者の宿泊施設費
これは単純に入院した時に使った、部屋代です。
グレードによって値段が違うみたいですが、私はスタンダードの部屋を使いました。
1日1,600バーツ(6,400円)の計算です。
もっともこれは部屋だけの料金ですから、上記のように入院にかかわる諸々が、加算されていくという仕組みになっているようです。
食事
食事は1日3回。
朝は7時、昼は12時、夕方は4時でした。
このサイクルでは運動もしていませんし、お腹はなかなかすきません。
しかも嘔吐下痢症と言う名前の病名ですから、食欲は全くありませんでした。
食事の前日には、スタッフから電話が入って、明日食べたいもののリクエストがきます。
嫁さんが対応してくれました、私一人だったら、つらくて答えられなかっただろうと思います。
また、メニューは、医師の指示で決まるものではないみたいで、嘔吐下痢症の私に、「スパゲッティとか、ステーキを食べますか?」なんて尋ねられたり、タイなので、「辛い料理にしますか?」なんて聞かれたりもしました。
結局、毎回おかゆにしてもらいましたが、おかゆと付け合わせのおかずが2品で、1食400バーツ(1,600円)ですから、ものすごく高いですね。
支払いについて
支払い能力がない人は、タイでは治療が受けられません
今回はタイの生命保険をかけていたので、事前にカードを提示して、保険で支払いをお願いしたので、入院ができました。
さらに詳しく言うと、私立病院も国立病院もそうですが、外国人の場合は、支払い能力がないものは入院も治療もしてくれません。
外国人の観光客の場合は、海外旅行保険やクレジットカードの付帯保険があるので、それがわかれば治療はしてもらえるようです。
ただヨーロッパなどの海外旅行保険は、保険会社がルーズでなかなか支払ってくれないようなところもあるみたいで、そんなところの海外旅行保険を持っていた場合は、最悪の場合、治療を拒否されることもあるらしいです。
もっとも日本の保険会社はそのようなことがなく、多くはキャッシュレスで治療を受けることができます。
またバンコク病院の場合は、日本人スタッフが通訳についてくれますので、安心だと思います。
クレジットカードの付帯保険は、注意が必要!
実は日本人でもクレジットカードの付帯保険を使う場合は、少し注意が必要みたいです。
というのも、まずタイではアメックスはほとんど使うことができません。
バンコク病院でもアメックスは使えません。
またビザやマスターでも、カードの付帯保険を使う場合は、事前にご自身でカード会社に連絡を取って、カードで病院の精算ができるかどうかを、連絡しておかなければなりません。
これを病院の日本人スタッフにお願いすることはできません。
個人情報にかかわる項目が多いため、カード会社との連絡は、本人しか行うことができないためです。
あくまでご自身で連絡を取って、キャッシュレスで対応できるかどうかを確認する必要があります。
例えば、もう高熱でフラフラな状態でも、自分で行わなければならないことを考えると、安易にクレジットカードの付帯保険があるから安心とは思わない方が良いと思います。
海外旅行保険をかけていない人が多くてビックリ
実は、今年の7月にタイの入国規制が緩和されて、日本の方はワクチン接種していれば、プーケットにコロナ前と同じような条件で入国することができるようになりました。
その際にタイの入国条件の一つだった、コロナ保険(海外旅行保険のコロナ版)も撤廃になりました。
ただそのことがあだになった日本人観光客も、実は多かったようです。
日本の水際対策が10月にPCR検査を撤廃するまでは、プーケットを発つ72時間前にPCR検査を受けなければなりませんでした。
楽しい旅行を終えて、いよいよ帰国となったときに、PCR検査が陽性だったという方は、実は意外と多かったです。
旅行代理店をしている友人や、私立病院に勤める友人から聞いただけでも5、6組はいたと思います。
いわゆる帰国難民なんてニュースで呼ばれていた人たちです。
ただそのなかで、海外旅行保険をかけていなかった人の数は、私の聞いた限りで4組以上はいました。
その数が意外と多かったのにびっくりしました。
コロナで陽性になってしまった例
今回の急性胃腸炎のケースとは異なりますが、少しコロナにかかった方のケースをご紹介しておきたいと思います。
多くの場合カップルのどちらかがコロナで陽性になるケースが多かったです。
その際、男性が陽性で、女性が陰性の場合は、女性が先に帰国して、男性だけがプーケットに残る組がいました。
逆に、女性が陽性で、男性が陰性の場合は、男性も看病のためにプーケットに残ってしまい、結局2人ともコロナの陽性になってしまった方がほとんどでした。
「私一人を置いて、あなたは先に帰国してしまうの?」なんて言われたら、男性は帰国できませんよね。
でもどちらか一人でも陰性だったら、先に帰国してしまうのが正解だったようです。
実は、プーケットでは7月~10月までの期間に、PCR検査で陽性になった場合でも、病院に入院させてもらえずに、自宅待機と言う措置がとられていました。
そのため、外国人旅行者でも、クリニックでPCR検査が陽性になった後は、ホテルで待機でした。
プーケットのある程度のグレードのホテルでは、スタッフにその旨を伝えると、その部屋を延泊させてくれました。
ただ非常にグレードの高いホテルに泊まった方で、そのホテルから追い出されてしまったケースもありました。
それを聞いた私も友人も、高いホテルの方がいざというときは、対応がひどんだね。と話したものです。
もっとも今回のコロナで入院ができなかったのは、むしろ良かったのかもしれません。
と言うのは、ホテルの延泊料金や、航空券の買いなおしの料金は、クレジットカードが使えたからです。
海外旅行保険をかけてこなかった方でも、クレジットカードは使えたので、一週間くらいの延泊だけで、なんとか帰国できました。
海外旅行保険は、1.500円程度
おそらく来年あたりからは、海外旅行もまた盛んになってくると思います。
なってほしいものです
その際に、やはり海外旅行保険はかけてきた方が良いと思いました。
私のように、急性の胃腸炎になった場合でも、数日の入院で、数十万円の入院費がかかります。
日本からプーケットへの4泊5日程度の旅行ならば、海外旅行保険は1500円前後で加入することができます。
ぜひクレジットカード付帯の保険があるから大丈夫とは安易に思わず、海外旅行保険を検討してくることをお勧めします。