今日は少し曇り空のプーケットです。

さて今日も少しだけダイビングのお話。
と言ってもスキルではなく、今日はマスクの曇り止めについてです。

今日の内容は、6つ

1.マスクが曇ってしまうとどうなるのか?
2.どうしてマスクは曇るのか?
3.マスクが曇ったときに、やってはいけないこと
4.曇るマスクかどうか、チェックする方法
5.曇らないマスクにするには、どうすればいいか?
6.注意事項

ダイビング マスク

ダイビングのマスクは、水泳のゴーグルと違って鼻まで覆う大きなもの。
このマスク、ガラス面をしっかりきれいにしておかないと(=曇り止めをしておかないと)、色々と不都合が起こります。

マスクが曇ってしまうと、、、

1.前が見えないので危険

まず一つは、マスクが曇っていると前が見えません。
ダイビングはマスクをつけるだけでも、だいぶ視野が狭くなります。
その狭い視野が曇っていると、全く前が見えないこともあります。

これは景色が見えないだけでなく、ガイドも見えなくなるので、はぐれてしまう可能性があってとても危険。

2.透明度が悪く感じる

また、透明度の素晴らしい海を潜っても、マスクが曇っていると、ちっともきれいに見えません。
むしろ透明度が悪く感じると思います。

3.ストレスになります

あとは、マスクが曇っていると、ストレスになります。
マスククリアと言って、マスクの中に水を少し入れて、マスクの曇りを取る方法があるのですが、それを頻繁に繰り返さなければならず、これもまた楽しさが半減してしまいます。

ではどうしてマスクが曇るのか?

マスクが曇る原因は、油膜にあります。
特に買ったばかりのマスクには、油膜が強力についています。

また人の顔についた皮脂も曇りの原因になります。
日焼け止めを顔に塗っていたり、女性のお化粧なども同様です。

あとは唾で曇り止めをするとき、食後の油を含んだ唾も曇りの原因となります。

鼻呼吸をしなければ、曇らない

ガラスの曇り

実は鼻呼吸をせずに、口呼吸だけしていれば、マスクはほとんど曇ることがありません。

マスクが曇るのは、鼻呼吸をしている人に多いです。
それは冬の寒い日に加湿器などでガラスが曇ることを考えてもらえるとわかると思いますが、鼻息の温かい湿った空気が、マスクのガラス面の油膜で、曇ってくるというわけです。

少し曇ったくらいなら、マスククリアはしない

ダイビングをしたことがある人ならば、マスククリアというのを知っていると思います。
マスクの中に入った水を取り除くスキルです。

マスククリアの練習は、自分でマスクに少し水を入れて行います。
このマスクに入れた水を使って、マスクの曇りを取る方法をダイビング講習で習うのですが、実はこれはあまりお勧めしません。

というのも 曇りを取り除こうと、マスクの中に水を入れた途端に、顔にいた日焼け止めやお化粧が溶け出して、さらにその脂分を含んだ水がガラス面について、マスクが余計に曇ってしまうという悪循環になります。

なので少し曇ったくらいならば、マスククリアはせずに、その一本は潜り続けた方が、曇りの悪化は防げると思います。

マスクの曇り止めはどうすればいい

マスクが曇るのは、ガラス面についた油膜が原因だということはわかってもらえたでしょうか?

Q.ではマスクが曇らずに、快適にダイビングをするにはどうすればいいか?
A.答えは、油膜をとってしまえばいいんです。

マスクの曇りをチェックする方法

新しく買ったばかりのマスクはもちろん、レンタルマスクを借りたときでも、まずマスクの曇り具合をチェックしましょう。

まずガラス面に自分の息を「は~」と吹きかけます。
その時に、全く曇らなければ、油膜はついていないので、ダイビング中に曇ることはほとんどないと思います。

また息を吹きかけて、 一瞬白く曇っても、その曇りがすぐにさ~と消えるようならば、市販の曇り止めなどを塗れば、おそらくダイビング中も曇りを気にする必要はないと思います。

曇りがすぐに消えない

マスクのガラス面に息を吹きかけて、 白く曇ったまま、なかなか曇りが消えないようだと、例え市販の曇り止めなどをつけたとしても効果はないと思います。
おそらくダイビング中に鼻呼吸をしてしまえば、すぐにマスクは曇ってしまい、その曇りはそのダイビング中はまず消えないと思います。

買ったばかりのマスクなどがそうなのですが、油膜が強力についているので、市販の曇り止めでは十分な効果が得られません。

そんな時はその油膜をとってしまえばいいのですが、界面活性剤で良くこすったり、歯ブラシで磨くなどという方法をダイビング器材販売店のスタッフが教えてくれますが、まずそのくらいでは、この強力な油膜は取れないと思います。

強力な油膜を取る方法

ライター

そんな強力な油膜を取り除くために、私達はライターの火でマスクのガラス面をあぶります。
軽く火をかざすと、油膜は真っ黒な煤に変わります。
その真っ黒な煤を界面活性剤や粒子の粗い歯磨き粉などで取り除きます。

1回だけでは取り切れず、何度も何度もライターの火を当てて、真っ黒な煤を取り除くと、最後にはライターの火をガラス面にあてても、真っ黒な煤は出なくなります。

そこまで油膜を取り除いてから、もう一度曇り止めなどを塗れば、ダイビング中もほぼ曇ることはないと思います。

ライターの火を当てる時の注意

マスクのガラス面にライターの火を当てるのは、慣れていないと少し躊躇すると思います。
ただ一般的な透明のガラス面ならば、ライターの火でどうなるものでもありません。

ただUV加工だったり、曇り止め加工だったり、ミラー加工などがしてあるときはあまりこの方法はお勧めしません。

またライターの火でも、しばらく当てているとガラスはとても高温になりますから、やけどには気を付けてください。

あとシリコンにはライターの火を当てないこと。
特に白いシリコンは黒いすすが付くと目立ちますので、注意してください。

あくまでも自己責任で行ってください

この方法はとても効果がある方法なので、私はマスクをレンタルするときは、必ずお客さんに渡す前にこの方法で油膜をとっておきます。

またお客さんの自己器材のマスクで曇りがひどいときは、あらかじめお客さんに断って、この方法で油膜を軽くとります。

ですから、このブログを読んで、ライターの火で油膜をとる場合は、あくまでも自己責任で行うようにしてください。
何か不都合が起こった場合でも、私は責任を負うことはできませんので、その点はご了承ください。

安全で楽しく、快適なダイビングの為に!

曇りのないマスクでダイビングすることは、まず第一に安全です。
ガイドも見えますし、景色もきれいに見えるので、楽しさも増します。
またストレスもないので、快適です。

ちょっと手間をかけるだけで、マスクの曇りは解消できます。
自己器材のマスクはもちろんですが、レンタルマスクを借りる際にも、あらかじめマスクの曇り具合をチェックして、インストラクターに申し出ておくと、楽しいダイビングが出来ると思いますので、ぜひ試してみてください