昨日まで3日間、プーケットでダイビングをご一緒しているT様。
初日にダイビングボートに乗って間もなく、私のところにやってきて「たぶん、車の中でスマホを落としてしまったみたいなんです」というのです。
これは一大事と思って、よく話を聞いて見ると、チャロンのミーティングポイントからダイビングボートが出る桟橋の間を走るバスの中だというのです。

このバスの中でスマホを失くしたら、、、

そのバスというのは、写真にもあるように、ピンク色をした日野自動車やいすゞ自動車のトラックの荷台に、人が乗れるような木の椅子を付けたバス。
6~7台が走っていて、ダイビングボートとミーティングポイントの間の800mくらいを往復しています。
朝の時間帯は、座り切れないほど多くの人を乗せて、ひっきりなしに往復をしているバスが何台もあります。
スマホを失くしたバスがどれなのもわかりません。
それに、あまりに多くの人が乗り降りしているので、どう考えて失くしたスマホは出てこないだろうと、T様に話しました。

T様も高いスマホではないし、銀行などの大切なパスワードは常に変更して問題ないだろう。
心配なのはアマゾンくらいかな?なんて話をして、楽観的に考えていました。
私も出港までの時間があまりなかったので、バスの1台1台を待って、探すことはしませんでした。

ホテルから乗った車の中かも?船会社の対応は早かったです

ただ、ホテルからチャロン港に来る、船会社のピックアップの車でも、落とした可能性があるので、こちらはすぐに船会社のオフィスに連絡をして、車内にスマホが落ちていないか、運転手に点検をしてもらいました。
オフィスからは間もなく返信があり、車内のシートを写した写真を数枚送ってきて「残念ながら見つからなかった」という報告を受けました。
丁寧な対応だなと思いながらも、スマホが見つからなかったので、やはりさっきのピンクのバスかな?とあきらめの気持ちが強くなりました。

夕方、ダイビング後にもう一度バスの中を探してみたけど、、、

気を取り直して、ラチャノイ島ラチャヤイ島で1日3本のダイビングを終えて、朝と同じようにチャロンの桟橋を走るピンクのバスに乗っているとき、T様がスマホの話を始めました。
出てこなくても仕方ないけど、それでももう一度探してみようと、ミーティングポイントに待機しているバスの中を探したり、私も運転手にスマホのことを知らないか?と尋ねてみました。
ただ当然、朝に失くしたスマホが見つかることはありませんでした。
もう丸1日過ぎているのですから、当然と言えば当然です。

ダメ元で、チャロンの駐車場でチケットを売っているおばちゃんに、スマホのことを知らないか尋ねてみましたが、もちろん知るはずはありません。
「あとで、港のスタッフにスマホのことを知らないか?聞いといてあげるよ」と言われましたが、社交辞令だろうなと聞き流しました。

失くしたスマホがあった!

出てこないとわかっていても、いざ見つからないとわかると落胆するもので、お客さんも少し重い足取りで車に乗り込みホテルに向かいました。
そのあと私は、チャロンのオフィスでスマホのことを尋ねようと、うろうろしていると先ほどのチケット売りのおばちゃんが近寄ってきて、スマホがあるらしいと言ってきたのです。

嬉しいより驚きの方が強かったのですが、ただタイ人って意外と勘違いが多くて、私のタイ語もうまく伝わらなかったのかな?なんて半信半疑で、あまり期待もしませんでした。
おばちゃんと一緒に、バス乗り場にいるセキュリティのおじさんのところに行くとびっくり。
交通整理をするセキュリティのおじさんが、朝失くしたスマホのことを知っているんです。
話を聞くと朝失くしたスマホを、ピンクのバスのドライバーが持っているということで、トランシーバーで連絡を取ってくれました。
数分後にやってきたピンクのバスに向かって「あれだ」というので、ドライバーを見てみると、黒いサングラスをかけた、なんともいかつい印象のドライバーでした。

運転席に近づいて、スマホの話をすると、助手席にあった白いスマホを取り出して、「はいよ」という感じで渡してくれました。
スマホの裏にはAQUOSとあったので、日本人のスマホに間違いはありません。
もうその時は、驚きと感謝の気持ちでいっぱいになり、「ありがとう、ありがとう」と何度も頭を下げてお礼を言いました。
黒いサングラスをした運転手は、表情を変えることもなく、さも当たり前のことをしたかのように、軽く手を挙げてまた桟橋の向こうへバスを走らせていきました。

プーケットは治安がいい。スマホが見つかることはある。でもそれはホテル内など!

私のブログでもプーケットの治安について紹介していますが、プーケットはとても治安の良いところです。
スマホを失くしても出てくることはあります。
ただiphoneは売り飛ばされるので、出てこないかもしれません。なんて書いていますが、スマホが見つかると言ったって、それはホテルや船会社と契約しているピックアップの車の中の話。
多国籍の人たちが頻繁に乗り降りするような、このピンクのバスの中は街中の道路と一緒です。
失くしたスマホが出てくるなんて夢にも思っていませんでした。
あまりに嬉しくなって、チケット売りのおばちゃんにお礼を言って、早速スマホを失くしたT様と一緒にいるK様のLINEにメッセージを送りました。
返信には「おおおおお!良かったです!」とあったので、やっぱり驚いたんでしょうね。

翌朝、しっかりドライバーにお礼

下の写真は翌朝、ドライバーにお礼しているT様を写した写真です。
昨日はいかつい顔に見えたドライバーも、意外と優しそうに見えるのが不思議ですね。

兎角、おせっかい焼きな性格の多いタイ人、まじめな仏教徒が多いです。
「微笑みの国」なんて言われて、人当たりが良いタイ人ですが、最近では物価も上がってきて、お金に貪欲になってきた印象がありました。
プーケットは豊かな県だと言われていますが、チャロン港で働く人たちは、決して良い給料をもらっているわけではないと思います。
拾ったスマホだって、誰にも言わなければ、街中に行って中古品として売れることくらい誰でも知っています。
でも今回のドライバーはセキュリティをはじめ、多くの人たちにスマホを拾ったことを話していました。
すぐにそのドライバーと会うことができたのも、みんなにスマホのことを話してくれてたからです。

初めての海外旅行、タイを選んでよかったかな?

今回、スマホを失くしたT様、スマホをズボンのポケットに入れるときに、ポケットが小さくてスマホが落ちそうだな?と感じていたそうです。
ピックアップの皮張りのソファでは落ちなかったスマホも、木の椅子のピンクのバスではスマホが引っかかって落ちたのではないかと言っていました。
今回のプーケット旅行は、生まれて初めての海外旅行だそうです。
タイを選んでよかった!と思ってくれたら嬉しいですね。
この話、タイ政府観光庁の人にも話そうと思っています。