2022年11月27日追記

昔ながらのタイのトイレ

プーケットではトイレのことを「ホーング(部屋) ナーム(水)」=水の部屋と呼びます。

今でも田舎の方では、日本の昔ながらの便器のような形のものを使っています。
日本のように金隠しみたいな遮蔽物はありませんので、どちらを向いてよいかはじめは困りました。
ただ汚物が流れる穴があるので、そこにお尻を持ってくればよいことと、足を置く場所はギザギザになっているので、前後がわかると思います。

便器の脇には水桶があったり、たらいが置いてあったりします。
普通は手桶も一緒にあるので、用を足すとそのたらいの水でお尻を洗って、出したものを流します。
紙などはもちろんありません。
お尻を水で流したら、手でパンパンと水をはらって、そのままパンツをはいてしまいます。

また同じ場所でシャワーも浴びます。
プーケットは暑い地域なので、風呂桶(バスタブ)はありません。
瞬間湯沸かし器のようなお湯が出るものはなく、昔ながらの家では当然水を浴びます。

昔ながらの家はもちろんシャワーのようなものはありません。
トイレの便器の近くには大きな水がめだったり、プラスチックの水桶があって、その中に手桶があるので、それで水をかけてシャワー代わりにします。

なので日本では「お風呂に入る」とか「シャワーを浴びる」と言いますが、プーケットでは「アップ(浴びる) ナーム(水)」といいます。

日本との大きな違い

日本のトイレのイメージは、あくまでドライですよね。
スリッパを履いたり、靴下でトイレに入るのも当たり前。
ちょっと水が床にこぼれたりしている、ととても不愉快な気がするものです。

ただ、こちらプーケットでは、今お話ししたように、水の部屋なので濡れているのが当たり前。
そのため初めてプーケットを訪れる方は、ちょっと抵抗があるようです。
でも写真のように思ったよりきれいなトイレだと思います。

プーケットのトイレ

ダイビングボートの中にもしっかりとしたトイレがあります。
ダイビング後にウエットスーツのままで中に入りますから、当たり前ですけど床は濡れていますし、シャワーも浴びることができます。
ただ日本の公衆トイレのような汚さはないです。
ボートクルーがしっかりと掃除をしていますから、とてもきれいな状態に保たれています。

現在のトイレ

プーケットは特にヨーロッパ人の観光客が多いので、現在では便器はいわゆる洋式のイス型のトイレが主流になりました。
ただ日本のように電動式のウォシュレットなどはまだついていません。
というより、プーケットのトイレには、電気のコンセントはないので、電動のウォッシュレットはつけることができません。
しかも、もしついたとしても、泥棒に持っていかれる心配があります。
これは世界的に見ても同じようで、国によっては便器の便座を盗むところもあるようです。
公衆トイレにもウォシュレットがあるのは、治安のよい日本だけだと思います。

プーケットのトイレ 便器

ただ電動ではありませんが、その代わりにプーケットでは手動のウォシュレットはついています。
写真のような小さな手動のウォシュレットを、私は「ハンドシャワー」なんて呼んでいますが、手の平に収まる大きさで、ぎゅっと握ると水が出てくる単純な仕組みになっています。
用を足した後、このシャワーの水でお尻を洗います。

初めてプーケットでトイレに入ったときに、このハンドシャワーが何のためにあるのか?疑問に思う人は多いみたいです。
ダイビングボートの上でもお客さんが、「あれは何に使うんですか?」なんてよく聞かれます。
その質問をする日本人の方に聞き返すと、「あのハンドシャワーで汚物を流すのだと思っていました。」という答えが返ってきます。
さすがにお尻を洗うハンドシャワーで、体を洗う人はいないと思っていますが、以前は冗談半分に乗船案内の時に、「お尻を洗うためなので、身体を洗うために使わないでくださいね。」なんてアナウンスをしていたこともありました。

使い方ですが、これはトイレの中のことなので、実際に見たことはありませんが、ティッシュでお尻を拭くのと同様に、前から差し込む人と後ろから当てる人とそれぞれあるようです。
私は後ろからお尻に当てますが、以前一緒に働いていた男性インストラクターは、前から差し込むというのを聞いて、へ~と思ったことがあります。
私もそうですし、プーケットに長く住む日本人も、日本の電動のウォシュレットよりも、自分で場所を微調整できるハンドシャワーの方が好きという人は多いです。
ノズルの大きさも日本のように細く勢いよく出るのではなくて、大きくてそれほど強くないのもその理由かもしれません。

ただ日本のお客さんは私たちとは感覚が違うようです。
ダイビングボートでトイレから出てきたときに必ず口にするのが、ハンドシャワーは「お尻に当たった後の水が手に着くから嫌い」と言う声をよく聞きます。
日本のトイレで水が手につくことはないですから。
ましてやお尻に当たった後の水が手につくのですから、慣れなくて当たり前かもしれません。
とはいえ、プーケットのトイレはあくまで「水の部屋」なので、そのあたりは気にしないようにしていただきです。
それに最近のダイビングボートには、ちゃんとトイレには手洗いの場所と、ソープが用意されていますので、それを利用してほしいです。

トイレットペーパーがない

先ほども話した通り、そもそもタイではトイレットペーパーは使っていませんでした。
そのためホテルのそれぞれのお部屋などは別として、一般の人が使うような場所には、今でもトイレットペーパーがそれぞれの個室に置いていないところは多いです。
さすがにハンドシャワーで流した後、お尻の水をパンパンと払える観光客の方は多くないと思います。
ダイビングボートのトイレには、ティッシュペーパーはついていますが、トイレとシャワーが一緒になったようなタイプの場合は、紙が濡れて使えなくなってしまうので、わざとティッシュペーパーを置いていないところも多いです。

プーケットのトイレ 紙

ただその代り、それぞれの個室には紙が無くても、入口近くや手洗いのところに大きなロールペーパーがあったりします。
写真の右側の丸い黒いのがそうです。
まずは個室に入って、用を足す前に、トイレットペーパーがあることを確認してください。
もしない場合でも、入り口付近にこのロールペーパーが置いてあることは多いので、その時はあらかじめ自分が使う分の上を巻き取って個室に持っていくとよいです。

トイレットペーパーは便器の中に流してはいけません

タイのトイレの配管は管が細いから詰まりやすい、というのが理由だそうですが、日本の紙のように水に溶けやすくないと言うのもその理由だと思います。
そのためお尻を拭いた紙は、備え付けのゴミ箱に入れるのが常識。
日本人にはとても抵抗がありますね。

ハンドシャワーで水洗いした後のトイレットペーパーならば、まだいいのですが、ハンドシャワーが無くてトイレットペーパーだけでお尻を拭いた後の紙を、ゴミ箱に捨てるのは未だに私も抵抗があります。

でも紙を流して、水があふれだしたらさらにたいへん。
トイレ掃除の方もそのあたりは慣れているようです。
決まりごとなのでこれは絶対に守りましょう。