日本はゴールデンウィークに入りましたね。
今年は長くとると、9連休にもなるそうですから、プーケットにも日本人が来てくれるのかな?
と期待したのですが、私のショップではまだまだ日本からのお客さんがいっぱい、というわけにはいきませんでした。
10年くらい前は、ゴールデンウィークは乗り合い船1艘まるまる日本人のお客様方で、欧米人のツアーリーダーが「日本人だけだから、日本語で乗船案内やって!」なんて、言われたこともありました。
今となっては古き良き時代です。
さてそんなゴールデンウィーク初日ですが、私のショップではバンコクからのお客さんとオープンウォーター講習が始まりました。
お仕事が忙しいお客様で、プーケット到着してからホテルで眠るまで、事前学習をされていた頑張り屋な方です。
最近月に1回ペースくらいで、ダイビングライセンス講習を行っていますが、今自分自身のなかで注目しているのは『ウエイトチェック』です。
もともとウエイトにはこだわっていたのですが、PADIのダイビングスキルの中に『ウエイトチェック』というのがあります。
写真にあるように、目線がちょうど目の高さにくる、そんなスキルです。
これはBCDの空気を抜いて、呼吸をしたとき、空気を吸うと水面が少し目の下になり、空気を吐くと目線が水中にすこし入るというものです。
以前はなんとなく、「こんなスキルがあるんですよ」とさらっとお客さんにやっていたものです。
ただ最近はこのスキルの重要性を意識し始めました。
身体を少しタンクにもたせ掛けて垂直にしたり、下半身の力を抜いたり、フィン先が下を向いたり、、、
そんなことは以前から話をしていたのですが、最近こだわっているのがBCDの空気の抜き方です。
BCDの空気は排気ボタンを押せば、水圧で「シュ~」と空気が抜けていきます。
その時、ちょうどこの目線が水面に来るあたりまで、一気にBCDを抜くんです。
そのあとはゆっくり「プシュ、プシュ、プシュ」と抜いていきます。
これってすごく当たり前のことなんですけど、下半身のリラックス具合と、呼吸(肺の縮み具合)を意識してもらいながら、「プシュ、プシュ、プシュ」と空気を抜いていきます。
適正ウエイトのチェックでは息を吸ったり吐いたりしてもらって、目線が水面の上下するのを確認しますが、私はこのウエイトチェックの姿勢から潜降にそのままつなげていきます。
お客さんにも「水面が目線に来るまでは、いっきにプシュ~と空気を抜きましょう。そのあとはプシュ、プシュ、プシュと抜いていきます。」というと、感覚的にわかりやすいようです。
実はこの排気ボタンを押しながら、ゆっくりBCDの空気の抜き方法はこだわっていませんでした。
排気ボタンを押して、空気を抜くのが、時間がかかって、潜降できない理由の一つだと思っていたからです。
むしろ2本目からは、肩の右側にある紐(強制排気弁)を引っ張って、短い時間で潜降できる方法を極めていたくらいです。
でもオープンウォーター講習で耳抜きが苦手なお客さんがいて、どうすればゆっくり潜降できるんだろう?
最初からウエイト調整をするにはどうすればいいんだろう?
そんな疑問にいたってあれこれ試行錯誤していたら、一番基本の『ウエイトチェック』という方法に、たどり着いた次第です。
これを読んでいる皆さんの中には、『何をいまさらそんなことを言っているの?』と思われる方も多いかもしれません。
ただ写真のようなウエイトチェックの姿勢を、潜降の時にとってみてください。
なかなか難しいんです。
身体を垂直にしたり、下半身の力を抜いたり、フィン先が下を向いたりは、なかなか難しいです。
それとBCDの空気は目線が水面に来るまでは「プシュ~」と一気に抜きます。
これも重要で、意外と最初から「プシュ、プシュ」とこまめに抜いてしまう人が多いです。
こまめに抜いていく人は、時間がかかるので、そのあいだに身体がふらふらしたり、気持ちが急いてしまってうまく潜降ができません。
目線が水面に来るまでは一気に抜く!これは重要です。
目線に来てからは「プシュ、プシュ、プシュ」です。
自分が水の中に沈んでいく、そんなイメージを持ってもらうことを話しています。
そしてBCDの空気はすべて抜ききる必要はない、これも重要です。
耳抜きができるくらいのスピードで潜降することを、プール実習の間に身に着けてもらうことが重要だと思っています。
プール(淡水)は、海(海水)に比べて、身体が沈みやすいので、なかなか沈まない潜降のスキルを、このプール実習の時に掴んでもらうことが重要だと思うようになりました。
ちょっと今日は言葉だけで、イメージがつかみにくかったかもしれません。
ただ潜降はダイビングの中でも一番難しいスキルだと思っています。
私も潜降ができなくて、何度も悩んで、インストラクターに足を引っ張られた一人です。
ウエイトチェックの姿勢と、「プシュ~、プシュ、プシュ、プシュ」。
この2つを少し意識してみてください。
潜降が少しでもうまくなると思います。