プーケットの南にある、ラチャノイ島

グリーンダイバープーケット 日帰りダイビング マップ

私のショップで一番ご案内する機会が多いダイブサイトがラチャノイ島です。
プーケットの南に、ダイビングボートで2時間20分ほどかけたところにある無人島です。
南北に細長い島が二つありますが、ダイビングをするのは主に北側の島です。

ラチャノイ島の東、バナナベイの北にあるバナナロック

プーケット 日帰りダイビングポイント ラチャノイ島 地図

ラチャノイ島の東側にある大きな湾がバナナベイ。そのすぐ北にあるのがバナナロックです。

【水上景観】無人島のラチャノイ島の岩が、ごつごつしたあたりがバナナロック。水上景観は大きな岩が並んでいます。
時々そこに野生のヤギが数匹、顔を出していることもあります。

【浅場】少し粒子の粗い砂地が広がっていて、水深5mあたりには大きな岩が横にごろごろと並んでいます。
ミルフィーユのような薄いサンゴが積み重なっていたり、茶色っぽいエダサンゴがあったり。ところどころにアカヒメジの群れがいたり、タコがいたり。時にはウミガメに出会うこともあります。

【深場】水深が10mくらいから20mくらいには、枝先が青いエダサンゴが一面に広がるエリアがあります。
そこを過ぎると、バナナロックの名前にふさわしい、巨岩が現れて地底都市を思い描せるような景色が広がっています。
景色の変化を楽しめるのが、ラチャノイ島バナナロックの魅力の一つだと思います。

バナナロックの巨岩

写真でもお分かりいただけるように、山のような大きな巨岩があるのが、プーケットのラチャノイ島のバナナロック。
浅場から進んでいくと、写真の右上にあるような、小さなぺらっとした2枚の岩が見えてきます。
岩の間は抜けられて、ちょっとしたアドベンチャー気分が味わえます。
水が抜けるところには、サンゴが付くので、右上のような小さなウミウチワが見られるのも魅力の一つ。

そのぺらっとした2枚の岩を徐々に沖の方に進んでいくと、すとんと足元の砂地がなくなって、水底25mほどの中層に変わります。
左下の写真がちょうど中層で。岩の横を泳いでいる写真です。
実際に泳いでみると、あたかも空を飛んでいるような、そんな雰囲気を楽しむことができます。
またその空から下を見ると、大きな岩がまるで地底都市のように見えるのも、バナナロックの魅力の一つ。
ファンダイビングはもちろん、体験ダイビングでも10m程度の水深を上手に保って、浮遊感をたっぷりと楽しんで頂ける、そんなポイントです。

プーケットの中で一番エダサンゴが素敵なポイント

バナナロックの最大の魅力は、枝先が青い、生き生きとしたエダサンゴが見られ事です。
水深10mから25mくらいまで、一面エダサンゴに覆われて、その上にはしっぽが昔の弓矢の先の鏑矢のような模様をした、カブラヤスズメダイの群れが、目の前が見えないくらいに覆っています。
その群れが上下や、時には左右に動いて、目の前を揺れていく様子は、写真撮影よりもむしろ動画撮影の方が、雰囲気がでるかもしれません。
また体が黄色いアカヒメジの群れや、時には真っ青な体をしたフュージラーの群れが流れてくる様は、プーケット周辺のどこのポイントよりも魅力的だと思います。

バナナロックで見られるサンゴ

プーケットの南に位置するラチャノイ島は、透明度が比較的良いところです。
ただプーケットから東に位置するピピ島や、シャークポイントのようなソフトコーラルの華やかさはありません。
プランクトンと流れの関係だと思います。

そんなラチャノイ島でもサンゴの魅力は十分に楽しめます。
上でもお話しした枝先が青いエダサンゴはもちろんのこと、写真右上のような毛足の長いじゅうたんのようなサンゴが、ゆらゆらとしている様子は、ラチャノイ島の特徴だと思います。
また少し深場には、写真左下のように、鹿の角のようなエダサンゴがあったり、浅場では写真右下のように茶色でちょっと短めなエダサンゴもみられて、それぞれに趣がある景色を楽しむことができます。

バナナベイで、よく見かける生き物

ラチャノイ島でも写真下のように、ウミガメを見かけることがあります。
巨岩の下に隠れるように、挟まっている姿を見たり、浅場を泳いでいたりと、出会えるチャンスはそれほど高くはありませんが、その分見つけた時にはとても幸せな気持ちになります。
ウミガメの種類は、プーケットで一番多い種類のタイマイです。
鷲のくちばしのようにとがった顔と、左下の写真でもわかるように、甲羅がギザギザしているもの特徴です。

ウミガメ以外では、写真の左上のようなタカラガイを目にすることあります。
他のポイントではあまり見かけませんが、ラチャノイ島の特にバナナロックでみることが多いです。
真っ黒な膜には、宝石をちりばめたような点があって、膜の裂け目から時々真っ白な貝が見えます。

また写真右上の生物は、モンハナシャコです。
まるで宇宙人のような眼をしていますよね。
左右の目がばらばらにきょろきょろする姿は、まさに宇宙人のようです。
胸とお尻がとてもきれいな赤色で、こうして巣穴から出ているところが見られると、とてもきれいなシャコだということがわかります。

そしてモンハナシャコの下にいるのは、オニダルマオコゼ。
サンゴの近くの砂の中に埋まっていることが多いですが、ときどきこうして体全部が見えることがあります。
英名ではStonefishと呼ばれていますが、欧米人はこんな擬態している魚が大好き。
でも日本人はこういうグロテスクな魚はあまり関心を示しませんね。
しゃくりあげた顎とぎょろっとした目がわかるでしょうか?
こいつが左右のひれを使って、のっしのっしと歩いている姿は、なかなか滑稽です。
でも恐ろしく猛毒ですから、岩と間違えて触ったりしないように注意しましょう。

バナナロックで見られる魚

左上の写真はカクレクマノミ。
有名ですね。
映画になる前は、白いブリーフパンツをはいている模様があるので、「パンツ君」なんて呼ばれていました。
紫色のイソギンチャクの裏に、オレンジ色と白色がなかなか鮮やかです。
このカクレクマノミ、プーケットの東側のピピ島シャークポイントなどでは、あちこちで見ることができるのですが、プーケットの南側ラチャノイ島やラチャヤイ島では、きまった数か所でしか見ることができません。
そのうちの一つがここ、バナナベイの巨岩の上です。
周囲には何もないので、青い海をバックにカクレクマノミを撮ることができます。

右上はモヨウフグ。
ラチャノイ島はモヨウフグやアラレフグといった、大きなフグをあちこちで見ることができます。
この写真を写した時の個体は、まるでストーカーのようにこの女性に付きまとっていました。

下の写真は、フュージラーのむれ。
沖縄ではグルクンと呼んでいる魚です。
タカサゴというのが一般的ですね。
青い海に真っ青な体のフュージラーが、次から次へと川の流れのようにやってきたり、右下のように背中が黄色いイエローバックフュージラーがやってくる様子は、思わず泳ぎを止めて見入ってしまうほどです。

バナナロックの浅場

バナナロックは、ドリフトダイビングのスタイルで潜ることが多いポイントです。
巨岩やエダサンゴを楽しんだ後は、浅場にあげて10m程度の深度を流して泳ぎます。
写真のようなアカヒメジの群れが所々にいたり、左下のような薄いミルフィーユかパイ生地のようなサンゴがよく見かけます。
ときどき、ウミガメがやってきたり、タコを目にすることがあります。
流れがあるときは、中性浮力を保って、ゆったり景色が流れていく様子を楽しめるポイントでもあります。

エダサンゴがとても魅力的なポイントで、これだけのエダサンゴが見られるポイントは、もうプーケット周辺ではバナナロックくらいになってしまいました。
それもあってか、保護のために、バナナロックを潜るチャンスが減っている気がします。
ラチャノイ島のツアーを選んで、潜るチャンスがあったら、ぜひ生き生きとしたエダサンゴと、巨岩の景色の変化を楽しでいただきたいと思います。