ダイビングスキルアップ(手をついてしまうこと)

毎日お客さんと一緒にダイビングvをしていると、いろいろ気づくことがあります。
今日ご紹介するのは、ダイビング中に砂や岩に手をついてしまうこと。
これも初心者の時によくあることだと思います。
私もそんな経験がありました。

手を砂などにつくということは、浮き上がってしまうのとは違って、上手に息が吐ききれているときに起こります。
息を止めてしまい、浮いてしまう初心者の悩みよりも、もう一つレベルの高い悩みだと思います。
身体が下に沈んでしまうのは、決してオーバーウエイトばかりではありません。
水深が下がってきて、ウエットスーツの空気の粒や、BCDの中の空気が圧縮されて、プラス浮力が少なくなると、どうしても体は沈みがちになります。
また息を上手に吐いて、肺が小さくなった後に、少し待たないと体は沈んできません。

今日のお客様は体験ダイビングでしたが、もうすでに10本程度潜っていて、私とも3回目のダイビング。
なので、この「肺が縮んで沈む感じをつかんでみましょう」という話を船上でしました。
ただ、まだまだビギナーなので、身体が少し沈む感じで、息を吸い始めればちょうどよいのですが、それを通り越して体が本当に落ちてしまうまで、息を吐き続けてしまいました。
身体が浮くのと同様に、いったん体が沈み始めると、その沈みも2秒から3秒は止まりません。
そこで、どうすることもできなくなって、仕方なく手を砂や岩についてしまうのです。

私は中学校の体育教師をして、部活動の顧問もしていました。
人がどうすれば上達するかを、もうずっと30年以上毎日考え続けています。
そんな目でこの「手をついてしまう」ということを考えてみると、人間の持つスキルアップの能力を引き出せていない行動に見えます。
人は上達するとき、「もうこのくらいでいいや」という意識ではありません。
「もう少し、がんばってみよう」と努力するものです。
例えばボールをキャッチするときなど、あと10㎝腕を伸ばせば、ボールが取れるのに、「もういいや」と思うと、ボールは取れません。
腕を前に伸ばして、体のバランスをとって。
そのわずかな意識や努力が、人間のスキルアップの能力を高めることにつながると思っています。

今日の手を砂についてしまうもそれと同様で、「手をついてしまえばいいや」「安全だし」という意識が働くと、人は呼吸で浮力を調整する努力をやめてしまいます。
逆に、手をつかずに、浮力コントロールを呼吸でしてみようと思えば、砂につきそうになる直前に、絶対に息を吸って、身体が浮いてくるまで待つはずなんです。
そういった積み重ねが、スキルアップにつながってくると、私は思っています。

お客さんはプロになるわけではないので、あまりしつこくスキルアップの話をしてしまうとつらくなります。
また、ダイビングが楽しめなくなります。
なので、アドバイスもほどほどにしていますが、ちょっとそんな意識を持ってダイビングをしてみると、スキルアップにつながると思います。

今日の海の様子(ラチャノイ島ラチャヤイ島体験3ダイビング)

今日、プーケットダイビングをご案内したのは、私と一緒にダイビングするのが、もう3回目になるN様ご夫妻。
今回はコロナ後、初海外ということで、来プーケットしていただきました。
前回の2回はラチャヤイ島体験2ダイビング
でももっと快適に1日を過ごしていただきたいと思い、今回はラチャノイ島ラチャヤイ島3ダイブの大型のボートで、ゆったり楽しんでいただきました。

これは1本目に潜った、プーケットのラチャノイ島のバナナベイ。
今日の透明度は、10段階評価で、9ポイントか10ポイントをつけても良いくらいに、抜群のコンディションでした。
砂がもうキラキラ輝いているでしょ。
1本目はお二人で手をつないで泳いでいました。
とても仲の良いご夫婦です。
いくつになっても、こうして手をつなげるっていいですね。

もう透明度が抜群なので、海の中がキラキラ輝いて見えます。

これは1本目が終わった後に水面で撮影した写真。
天気が良いのもわかりますよね。
ここ最近、ハイシーズンの東風に変わったのですが、ほとんど風が吹きません。
波も全くない状態。
まさにダイビング日和です。

これは2本目に潜った、プーケットのラチャノイ島のフリーダムリーフ。
コウイカに出会いました。
体験ダイビングでこんなイカを見られるのはラッキーです。
でも水底から1m程度を上手に浮力を取りながら泳いでいますよね。

これはフリーダムリーフの湾のはずれ。
タイワンカマスが群れを成していました。
ただダイバーの数も多かったです。

体験ダイビングでしたが、私と何度も潜っているお客様なので、呼吸や姿勢の話を船上でして、浮力の調整も上手にできるようにしてもらいました。
こんなエダサンゴの上に群れる、スズメダイの中を上手に泳げているのは、すごいですね。

サンゴの上で少しだけ緊張していましたが、それでもこんなオレンジ色のネッタイスズメダイと一緒に写ることができました。

これはキャベツコーラル。
花が咲いたようできれいですよね。
2本目も後半になって、すっかり浮力を取るのが上手になったお二人。
「ずいぶんぎりぎりを泳げましたね」?と船上で聞いてみると「サンゴの上ぎりぎりを攻めてみました」という返事が返ってきました。
すごいです。

これは3本目に潜ったプーケットのラチャヤイ島の新しい沈船。
大きな船なので、3階部分にあたるここも、体験ダイビングで潜ることができます。
大きな船に圧倒されながら、上手におよいでいました。

船のわきにはタイワンカマスの大群が群れていたのですが、それを上から見た写真。
数えれば数万匹はいるんじゃないかな?

コロナでずっと海外旅行を控えていたN様ご夫妻。
沖縄では体験ダイビングをしたそうですが、天候がわるくあまり良い印象ではなかったそうです。
コロナ後初の海外はプーケット。
しかも今日のプーケットの海は抜群のコンディション。
印象に残るダイビングをしていただけたと思います。
またぜひプーケットに潜りに来てください。
お待ちしています。