今日のプーケットは少し曇り空。
風もそよそよと吹いています。

エアには限りがある

さて今日はダイビングの呼吸とエア消費のお話。
ダイビングは水中で楽しむレジャーです。
ただ残念ながら、魚のようにえら呼吸はできないので、タンクを背負って限りあるエアで水中を楽しむしかありません。

このタンクのエア、大きさは色々ありますが、プーケットでは一般的に12Lのアルミタンクを使います。
ボートダイビングで潜れる時間は、最大で50分間。
日本人の小柄な女性ならば、あまり呼吸の方法を考えなくても、残圧を十分に残してダイビングを終えることが出来る大きさです。

特に大柄な男性は、エア消費が早い

ただ体格の良い欧米人や日本人男性でも大柄な人は、陸上と同じように気持ちよく呼吸していると、50分間潜れないこともあります。

特に大柄な男性ダイバーの中には、自分のエア消費が早くなくなることに、とても神経質になっている人が意外と多いです。

エア消費は時にプレッシャーになる

ダイビングの時のプレッシャー

ガイドとマンツーマンで潜るならば、潜る時間が多少短くなっても気になりません。
ただ、チームで潜る時に別です。
自分のエアが早くなると、チーム全体の潜水時間が減ってしまうので、どうしてもエアを持たせるように考えて呼吸をしなければなりません。

そのため知り合いならばいざ知らず、見ず知らずの人とチームを組むとなると、かなりのプレッシャーを感じる人が意外と多いです。

お客さんが考える呼吸方法

そのため、エア消費を気にしている人は、自分たちで色々考えて呼吸方法を工夫しています。

1.我慢して吐き出さない

ある人は、吸った空気をできるだけ吐き出さないようにして我慢を続け、エアを持たせようとします。

2.細く、できるだけ吸わない

ある人は、空気を細く、できるだけ吸わないようにして、小さな呼吸をくりかえして、エアを持たせようとします。

3.バルブを絞る、とても危険な方法

やっては危険な呼吸法

またこんな人もいました。
タンクのバルブをできるだけ絞って、あまり空気が出ないようにして、エアを持たせようと考えました。

ただこの人は、深度20mオーバーのところで、急にエア切れのサインを出してきました。
最初は何のことがわからなかったのですが、バルブが極端に絞られていたので、深場になったときにエアが正常に出なくなったのだと、あとでわかりました。

エアの持ちいい≠中性浮力が上手

最後の例だけは危険なパターンですが、実はエアを細く吸ったり、我慢をする事でエアは確かに少しは長持ちします。

ただその方法で、中性浮力もキレイに取れるかと言うと話は別です。
残念ながらどちらの方法も、浅場になると浮いてしまうことが多いです。

ダイビングに適した呼吸方法は?

息の吸い方は、テキストにも書いてある

では一番ダイビングに適した呼吸方法と言うのはどんな方法なのでしょう。
それはオープンウォーターのテキストにも書いてあるのですが、「ゆっくり深く吸う」呼吸です。

でも息の吸い方はしっかり書いてあるのですが、息の吐き方についてはあまりはっきり書いてありません。
上にあげた3つの例も、息の吸い方を皆さん工夫されていますが、息の吐き方についてはあまり考えていません。

息の吐き方は、はっきり書いてない

ただおそらく講習中にベテランのインストラクターは、「長く細く、細かい泡がププププー」と出るのが理想的です。と話してくれたと思います。

「聞いたことあります。」と言うお客さんもいれば、「そんなの聞いたことないです。」と言うお客さんもいるのは、テキストにもはっきり書いてないからだと思います。

エア消費と中性浮力の2つが上手くいく呼吸

ではどうしてこの方法が良いのか?
それはエア消費がよくなって、しかも中性浮力もとれるという理想的な呼吸だからです。

その理由については長くなりますので、また次の機会にしたいと思います。
あと理想的に息を吐くタイミングと、上手に吐きだせるコツもまた追ってお伝えしたいと思います。