スキルアップ(上手な潜降に必要なこと)
今日も少しスキルアップのお話から始めたいと思います。
先日、上手な潜降に必要なのは、下半身の力の抜き具合というお話をしました。
下半身の力が抜けると、フィン先がストンと落ちて、目線が水面に近くなるとお伝えしました。
そこでBCDの空気を抜けば沈んでいくはずなのですが、あと一つ大事なことは、「沈む~」という意識を持つことです。
ダイビングは精神状態が、すぐに浮力に現れてしまう
実は潜降に限らずダイビングは、その人の精神状態がとてもよく現れます。
例えば今お話した潜降。
水面から3m程度がなかなか沈まないものです。
初日の1本目は特に、なかなか沈まないものです。
それはウエットスーツが乾いていることもその原因であることが多いですが、ちょっと沈まないことで、気持ちが急に焦ってしまう、そんな人がたくさんいます。
焦っているときはマイナスの思考
人は焦るとその思考は、「何とかして沈まなきゃ!」とか「なんで沈まないんだ」とか「どうしよう?どうしよう?」とか、チームで潜っているときなどは特に「他の人に迷惑を掛かけてしまう」そんなマイナスの思考で頭の中がいっぱいになります。
そして焦っているときは、えてして呼吸は止まっています。
息を吐きだしているつもりが、まったく吐いていません。
当然、沈むことはできません。
沈まないときにしがちなヘッドファースト
ある程度経験がある人は、そんなときにヘッドファーストで潜ろうとします。
お客さんに聞くと、辺土ファーストで入るように、日本で習った。なんて人もいます。
ただヘッドファーストで力づくで潜れたとしても、呼吸は乱れていますからまた浮いてしまいます。
またウエイトが足りなかったり、BCDの空気がしっかり抜けていないのに、ヘッドファーストで強引に入ろうとする人はとても多いです。
ヘッドファーストのデメリット
またヘッドファーストは耳を傷める原因にもなります。
それ以外にも方向がわからなくなって、バディを見失うことにもなります。
3mmのスプリング(半袖半ズボンタイプ)のウエットスーツならば、フィートファースト(足から降りる)で潜降できる人の方が、上手だと私は考えます。
最初にも話しましたが、潜降で大事なのは、「沈む~」と思うことです。
精神的な落ち着きと、プラスのイメージの時は、身体の力がきれいに抜けています。
フィン先は下を向き、肺もきれいに縮んでいます。
落ち着いているので、急に息を吸い込んだりもせず、長く吐くこともできます。
そうすれば、ゆっくりと耳抜きもしながら、潜降することができるというわけです。
実はこの意識の持ち方は、潜降に限らず、安全停止の時も同じです。
流れのある時や、ダイビング全般に言えることだと思います。
下半身の力が抜けるようになったら、次はぜひ「沈む~」という、プラスイメージを持つようにしてみてください。
体験ダイビングの様子
今日、プーケットのダイビングをご案内したのは、グアムと沖縄で体験ダイビングをしたことがある、男性のK様と。
沖縄の青の洞窟で、K様と一緒に体験ダイビングをした、女性のH様のお二人。
今日も天気が良くて、波もほとんどない、絶好のダイビング日和の中、ラチャノイ島体験2ダイビングにご案内しました。
とても仲の良いお二人。
お二人で手をつないで、男性のK様がリードしながら、女性のH様の浮力を取ってあげていました。
1本目のプーケットのラチャノイ島バナナベイの浅場では、こんなサンゴの上も上手に泳いでいました。
白い砂地に影がくっきりできていますね。
日差しが強くて、白い砂がキラキラ光っていました。
これはインド洋固有種のインディアンダッシラスと一緒に撮影した写真。
インド洋固有種と一緒なので、日本ではなくて、プーケットの写真ということになります。
ネズミフグ(ハリセンボン)が、お二人の間を抜けて、のんびりぷかぷか泳いできました。
ぽっかり空いた口と、大きな目がかわいいですね。
これは2本目に潜った、プーケットのラチャノイ島フリーダムリーフ。
白い砂地の上に大きなフグがいました。
お二人ともフグと同じ、砂の上1mくらいを上手に泳いでいますね。
ウエイトの調整はもちろんなのですが、呼吸の話もして、体験ダイビングとはいえ、とても上手に浮力を取って、海を楽しんでいました。
これはキンギョハナダイと一緒に撮影した写真。青い海に赤い魚がきれいです。
女性のH様は、1本目からずっと鼻の上に、右手を置いていました。
体験ダイビングの説明の時には、耳抜きはつばを飲み込めばできると聞いていいたので、不思議だなと思っていたのですが、後で聞いてみると日本で潜った時に、鼻に水が入ってパニックになったそうです。
そのトラウマから、マスクに水が入らないように、鼻のあたりを抑えていたんですね。
でも1本目は魚を楽しむというよりも、マスクに水が入ることばかりが気になって、ダイビングを十分に楽しめていなかったみたいです。
2本目も後半になると、マスクに水が入る心配よりも、魚がたくさんいて、それを見るのに夢中になれたようです。
鼻を抑えていた右手は、すっかり自由になっていました。
ダイビングが楽しい~!という感じを体いっぱいで表現しています。
今日は大きなフグによく出会いました。
それものんびり、こんな風に一緒に写真に写ってくれます。
小さなコバンザメをくっつけているのがわかるでしょうか?
サンゴの上のキラキラした小魚。
骨まで透けて見えるスカシテンジクダイに夢中です。
ラチャノイ島のフリーダムリーフの中で、一番きれいだなと思うのがここ。
キャベツコーラルとエダサンゴのうえに、ネッタイスズメダイなどが群れています。
色は茶色と地味ですが、華やかな雰囲気がします。
今日は、体験ダイビングは2本で終了。
3本目のプーケットのラチャヤイ島では、スノーリングを楽しんでもらいました。
オレンジ色のブイにつかまっているは、中国人のスノーケラー。
泳ぎが得意なK様とH様は、右上にいます。
ちょっと素潜りもできるように、ライフジャケットはつけませんでした。
私が利用するダイビングボートでは、スノーケラーにもこうしてブイを用意してくれて、担当スタッフ(中央下)が一緒に海に入ってケアしてくれるので安心です。
沖縄の体験ダイビングよりも、もっとダイバーらしい潜り方ができました。と話してくれたお二人。
ちょっと流れのある中でも、上手に浮力を取っていました。
オープンウォーターをとってみたいです。とおっしゃっていただいたのもうれしかったです。
またぜひお二人で、ダイビングを楽しんでいただきたいです。
そしてまたプーケットに潜りに来てください。
お待ちしています。