ダイビングは、若い人のスポーツなんて思っていませんか?
最近は親子でダイビングや、シニア世代のダイバーも増えています。
健康ならば何歳になっても続けることができるレジャー、それがダイビングです。

ダイビングって何歳までできるんですか?

先日のお客さんは、60歳を過ぎて初めて体験ダイビングをされました。
私のショップは、私がシニアなせいでしょうか?
私と同年代のアラカンやアラフィフなんてお客さんも多いです。

そんなお客さんと話をする中で、「ダイビングって何歳までできるんですか?」という質問をよく受けます。
そんなときは決まって、
「私は以前、88歳のおばあちゃんと、86歳のおばあちゃんと、84歳のおばあちゃんと、82歳のおじいちゃんの、4人と一緒に潜ったことがあります。」と話をします。
また60歳になって、「夫婦でできる新しい趣味を作りたいと」、ダイビングライセンス講習を受けた方もいらっしゃいます。

60歳を超えると、健康診断書を求めれる

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ダイビングは開始できる年齢は決まっていて、8歳からバブルメーカーという、深度2mでスクーバを背負ってダイビングができます。
一般的には15歳未満をジュニアオープンウォーターダイバーと呼んで、10歳から11歳は最大水深12mまで。
12歳から14歳は成人ダイバーと一緒に潜るなどの制限が加わりますが、ダイビングをすることはできます。

逆に高齢者の場合の年齢制限はありません。
ただ一般的に60歳を超えるダイバーの場合は、健康診断書の提示を求められるケースが多いです。
それでも健康体ならば、何歳になってもダイビングをすることは可能です。

ちなみに私のショップでは、60歳を超えた方には、直近の人間ドックなどの健康診断の結果をお知らせいただいています。
というのも以前お客さんで、かかりつけの泌尿器科の医師が記入した、「ダイビングに支障となる病気はありません」と言う健康診断書をお持ちになった方がいました。
これではほとんど意味がありません。
そのため、健康状態がしっかりわかる人間ドックの結果などを、スキャンして送って頂いています。
これならば気になる項目があった場合でも、事前にメールで尋ねて、ダイビングに支障がないことを確認できます。

シニアになって、ダイビングがつらくなるのはどんな時?

若いときは何でもなかったことが、シニアになるとつらくなることは、普段の生活でもありますね。
健康体であっても、シニアになると、ダイビングがつらくなることがあります。
その一番多い例は、重たいタンクを背負って歩く時ではないでしょうか?

タンクは大きさや材質によって、重さは異なりますし、60㎝程度の小さなタンクもあります。
小柄な女性や子供のように、肺活量が少なく、エア消費も心配なければ、小さなタンクでもよいかもしれません。
ただ一般の男性の場合、シニアになっても50分(プーケットのボートダイビングの最大潜水時間)潜るとなると、アルミの12リットルタンクは必要になると思います。

タンクの重さはおよそ20kg

プーケットの日帰りダイビングで一般的に使われるタンクは、アルミニウムの12リットルタンクです。
タンクの重さは、空気がしっかり充填されていると、およそ20㎏になります。
これにBCDやレギュレーターも加われば、およそ25㎏を背負わなければなりません。

ダイビングボートは広いですが、ダイビングデッキに一番近ければ、ダイビング器材を背負って5歩も歩けば、エントリー(ボートから水面へおりる)ができます。
ただ一番遠いタンク置き場になってしまうと、10m以上歩かなければなりません。
またピピ島マリンパークなど、少し中級者のダイビングポイントになると、ボートが動いている間も立ってエントリーを待つ必要が出てきます。

若い男性ならばいざ知らず、シニアダイバーになってくると、重たいタンクを背負ってずっと立っていることはつらいです。
夜になって「あれっ?なんだか腰や背中が痛いな?」なんてことにもなりかねません。

プーケットのボートは、設備やスタッフが充実

ボートクルーはよく教育されています

プーケットのダイビングボートのクルーは、とても働き者です。
女性や初心者がタンクラックから立ち上がるときに、タンクを持ち上げてくれたり、ボート上を歩くときも、ファーストステージなどを持って、転ばないように支えてくれます。
エントリー直前にはバルブのあけ忘れがないかどうかや、タンクバンドのゆるみがないかもチェックしています。
また写真のように、ジャイアントストライドエントリーでは、タンクがダイビングデッキにぶつからないようにサポートもしてくれます。

重たいタンクを背負って、歩く必要はありません

とはいってもやはり20㎏を超えるような重いタンクを背負わなければいけないのは、つらいですね。

ダイビングは無重力を楽しむレジャーです。
一旦海の中に入ってさえしまえば、タンクの重さなどはほとんど感じません。

そこで重たいタンクが背負えない方や、足腰が悪い方、それにお子さんなどは、重たいタンクを船上で背負わずに、器材を水面で脱着をしてダイビングすることができます。

エントリー(ボートから水面へおりる)の方法

ダイビングを始める前の手順は次の通りです。
1.器材セッティングは普通に行っていただきます。
2.ウエイトはBCDの中に入れておきます。
3.ウエットスーツを着て、フィンとマスクをつけてスタンバイします。
4.インストラクターが先にエントリーして、お客様の器材はボートスタッフが船からおろしてくれます。
5.お客さんがエントリーします。
6.水面でBCDをつけます。
7.あとはBCDから空気を抜いて、ダイビングスタートです。

この方法ならば、重たいタンクを背負って船上を歩く必要はありません。
プーケットのダイビングデッキは、横幅が広く、ボートクルーだけでも5人程度が乗っているので、十分なケアに回れます。

エキジット(水面からボートへ上がる)の方法

多少タンクが重たくても、エントリーはできますという方は多いです。
ただ重たいタンクを背負ったまま、ボートに上がるために、はしごを上がるのはつらいです。という方もまた多いです。

最近のプーケットのダイビングボートは、船についたはしごが斜めになっているので、タンクの重さが軽減されて上がりやすくなっています。
ただ旧式のボートでははしごは垂直です。
ましてやクルーズ船のように、大型になればなるほど、はしごは長くなりボートに上がるのもつらくなります。

そんなときは、エントリーとは逆に、BCDを水面で脱いでボートに上がることもできます。
1.ボートのはしご近くまで、インストラクターと一緒に泳いでいきます。
2.もしウエイトベルトをしていたら、ウエイトベルトを外してインストラクターかボートスタッフに渡します。
3.インストラクターの助けを借りながら、BCDを脱ぎます。
4.はしごにつかまりながら、フィンを外して、はしごをあがります。
5.BCDはボート上に待っているボートクルーに、インストラクターが渡してくれます。
6.お客さんはフィンとウエイトベルトを持って、ご自身のタンクラックにおきます。
7.BCDはボートクルーが持ってきてくれます。

足腰が弱っている方に限らず、重たいタンクを背負ってはしごを上がるのがつらいな、と思った方は遠慮せずにご相談ください。
私はもちろん、プーケットのダイビングボートのクルーは、こういったケースに慣れていますので、ご心配はいりません。

年齢やレベルによって潜るポイントを変えられます

プーケットのダイビングボートで潜るポイントは、その日の全体のお客さんのレベルや天候をみて、ボート会社のツアーリーダーとキャプテンが相談して決めます。
ただ同じポイントでも、潜る場所を変えることもできます。

例えばラチャノイ島などでは、30mオーバーを潜るテクニカルダイビングは、沖の方で。
ファンダイビングのお客さんは、湾の外側からドリフトダイビングをして湾内へ。
体験ダイビングオープンウォーター講習は、湾内からエントリーするなど、
潜降する場所を変えることができます。

またシミランクルーズなどのように、水深も深く、流れも強いポイントの場合は、ファンダイビングは母船からのエントリーで、
初心者などは写真のようなゴムボートに乗り換えて、島の近くでエントリーすることもできます。
そうすれば、初心者やシニアダイバーでも水深も浅く、流れもそれほどきつくないところで、ダイビングをすることができます。

シニアダイバーで脚力が落ちてしまい、流れが強いところは泳げません。という方は多いです。
そんな場合に、エントリーを変えるのも一つですが、どうしても流れが強いときは、エキジット場所を変えてゴムボートに迎えに来てもらうこともできます。
プーケットは、クルーズ船に限らず、日帰りダイビングボートでもゴムボートを備えています。
エントリーを変えたり、エキジット場所まで迎えにきたり。
それだけの対応ができるのが、プーケットのダイビングの素晴らしいところでもあります。

メールで相談

私のショップはメールの対応も私が行いますし、海をご案内するもの私です。
年齢や性別はもちろん、椎間板ヘルニアの既往症や、足腰に心配があると言った情報も、事前にしっかりとお客様から聞くことができます。
当日までに少し小さめのタンクを船会社に用意させたり、当日お客さんに確認したり。
細かいことですが、お客様が快適にダイビングできる準備を忘れません。

いくつになってもダイビングを続けてほしい。
そのためのスタッフや設備がプーケットには備わっています。
シニアダイバーがこれからも増え続けてほしいものです。